味の素の新包装工場、ロボット活用で生産性1.7倍

拠点・施設味の素傘下の味の素パッケージングは7日、川崎市にある関東工場の老朽化に伴い、2016年に着工した新工場「関東包装工場」の稼働を段階的に開始した。

これまで分散していた包装場を1か所に集約し、工場内のライン数を大幅に削減するとともに、ロボットなどの活用して自動化を進め、生産性を従来の1.7倍に高める。食の安全を保証する品質保証体制を強化し、一部工程で「JIA食品生産システム認証審査」に対応する。

味の素パッケージングは国内に3工場を展開する味の素グループの包装機能会社で、関東工場は同社最大の拠点だが、工場内の包装場が6か所に分散、ラインも多岐にわたり手作業が多いことから、生産効率の低さや生産年齢人口減少に伴う労働力確保が課題となっていた。

新工場は、販売品種や包装仕様を見直すことでライン数を大幅に削減し、包装工程で仕様の異なる2ラインの対応を1台で行う多機能型ロボットを導入、「省投資」ながら省スペースで自動化を実現した。

また最終包装製品を集荷する際、無人搬送車を導入することで工場内を人が移動しやすく配慮し、設備レイアウトの自由度を高めたほか、従来の味の素川崎事業所の東側から物流センターの隣接地に移設し、物流効率も高めている。

さらに工場内のゾーン管理でコンタミネーション（汚染）や異物混入を排除するとともに、工場内外に品質保証カメラを設置し、入場管理を徹底。市場が伸長しているスポーツサプリメント「アミノバイタル」の包装工程ではJIA認証にも対応する。

新工場では、今後も生産現場での新たなロボット導入による自動化やICTの活用による帳票類の電子化、稼働状況の「見える化」などを積極的に進め、さらなる生産性の向上を目指すとともに、品質管理の徹底を図る。見学通路を設け、2018年1月から味の素川崎工場見学「味の素」コースに組み込む方針。

■新包装工場の概要
名称：味の素パッケージング関東包装工場
所在地：神奈川県川崎市川崎区鈴木町1-1
建築面積：6100平方メートル
延床面積：9670平方メートル
構造：鉄骨構造3階建て
包装品目：調味料類（味の素、ほんだしなど）、甘味料（パルスイートなど）、アミノ酸スポーツサプリメント（アミノバイタルなど）ほか
包装能力：年間240万ケース
設備投資額：48億円（建物、設備、工事費など）
稼働開始：2017年8月