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自動車事故調が報告書公表

首都高宙づりコンテナ事故、背景にずさんな管理

2017年12月6日 (水)

話題国土交通省は6日、東京都江戸川区の首都高速中央環状線葛西ジャンクションの高架道路で2015年12月23日9時50分頃、海上コンテナを積載したトレーラがカーブを曲がり切れずに左側壁に衝突、金網フェンスを押し倒し、側壁を乗り越え宙づり状態となってコンテナが高架道路下の荒川に落下した事故について、事業用自動車事故調査委員会がまとめた報告書を公表した。

▲宙づりになったコンテナセミトレーラ(出所:国土交通省)

この事故による死傷者はなかったが、報告書では運転者がこの事業者で「コンテナセミトレーラの運転特性など十分な指導教育を受ける機会がなく、カーブ区間では十分に減速し慎重に運転する必要があることなどの認識が希薄だった」との可能性を指摘。

さらに「この事業者では、さまざまな点でずさんな安全管理状況が見られ、事業者の安全管理を軽視した姿勢が事故の背景にあったと考えられる」と、運送会社のずさんな管理が一因になったとの見方を示した。

また、運転者については、「経験や慣れから漫然運転をしていた可能性があるほか、荷下ろし場所での手待ち時間短縮のため少しでも目的地に早く到着しようとしていた」との可能性に言及した。

事業者が取るべき再発防止策として、「国際海上コンテナの陸上における安全輸送マニュアル」を活用することや、「運転経験の長い運転者」であっても、コンテナセミトレーラの挙動特性などを繰り返し指導教育を行うよう求めたほか、確実に特殊車両通行許可を受けること、運転者に運行経路や積荷などを踏まえた具体的な安全運行を指示すること――などを求めた。

■事故調査報告書
http://www.mlit.go.jp/common/001213238.pdf