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東京海上日動、「行動観察」手法取入れた事故削減

2018年1月29日 (月)

環境・CSR東京海上日動火災保険は29日、「行動観察」(エスノグラフィー)手法を活用した、事故削減コンサルティングサービスを2月から開始すると発表した。

大阪ガス子会社であるオージス総研(大阪市西区)の行動観察手法を、従来の人間工学による事故削減コンサルティングサービスに取り入れた。

行動観察は、人間工学系のリサーチ手法の一つで、生活現場やサービスの現場、作業現場などのさまざまな場で「人」に着目し、人がどのような行動をしているのかを観察員が観察し、定性的に事実を捉えるもの。無意識の行動や本人に聞いてもわからない事実、「当たり前すぎて見過ごされた事実」などの情報を得て、「多様な視点で解釈を加える」ことで潜在的なニーズや課題を導き出すことができる。

調査では、どのような場や対象者・観点で観察するか、得られた情報をどのように分析して共有するかなど、調査目的に合わせて設計する。現場での観察を実施し、映像の撮影や対象者へのインタビュー、特定の行動のカウントなどを行う。観察から得られた事実が「なぜ起こったのか」「どういう効果や影響を与えるのか」について、背景や文脈から解釈を行い、気づきとしてまとめる。

また、基礎分析にてまとめた気づきについて作業者を集めたワークショップで議論し、人間工学の観点で見つけた現場の事故防止策の提案もまとめて行う。

東京海上日動では11月に保険契約者である物流事業者に対し、ピッキング作業現場を対象にトライアル導入を実施した。ピッキング作業現場での顕在的なリスクの抽出し、事故防止策の提案、ベテラン作業者とキャリアの浅い作業者に密着し、両者の違いを観察することで、事故・誤出荷を防ぐためのノウハウ・暗黙知を見える化した。

これにより、例えば袋物商品をベテラン作業者は力を入れずに軽く持っているが、キャリアの浅い作業者は商品の端を強く掴んで持つため、商品のシワや破れに繋がってしまうといった違いを可視化できるようになる。

契約者には、物流現場での商品破損・誤出荷などを事前に防止するための改善ポイントを提示する。

2月から行動観察を取り入れたコンサルティングサービスを保険契約者向けのメニューの1つとして開始。行動観察サービスは顧客ニーズによってオーダーメイドで設計、無料で提供する。