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人手不足直撃、ゼロが中古車輸送の受注見合わせ

2018年3月9日 (金)

話題自動車の輸送を全国展開するゼロは8日、年度末の繁忙期に入り「想定を上回る注文を受けた地域」などで大幅な遅延が生じ、関東などの需要エリアを中心に「受注を見合わせる」と発表した。

新車と中古車の輸送を手がける同社では、例年この時期が繁忙期でこれまでも納期の延長や受注の見合わせに踏み切るケースもあったが、ことしはドライバー不足、働き方改革の推進といった要因に加え、車両制限令の違反車両に対する罰則が強化されたのを背景として、コンプライアンスの観点からも1回あたりの輸送台数を抑えているのが大きく影響しているとみられる。

受注を見合わせるのは主に一般顧客から受注する中古車輸送のうち、関東や関西などの需要が大きなエリアで、これまでのところ、自動車メーカーからディーラーへ輸送する新車輸送は通常通り行っているという。

同社は昨年10月、東京都と神奈川県内の協力輸送会社6社の事業を買収して乗務員の安定確保を図ったが、車種などの問題で中古車輸送用の車両を増強するに至らず、買収によってコンプライアンスを強化する必要もあったことから、輸送力の引き上げにはつながっていない。

2月9日に発表した中間決算でも、売上は1.2%の増収を確保したものの、車両制限令への対応や働き方改革への取り組み、ドライバー不足などが響き、本業のもうけを示す営業利益は28%の減益となっていたが、下半期に入ってもこれらの課題を解消できないまま繁忙期に突入し、納期延長や受注見合わせといった措置を余儀なくされているといえそうだ。