調査・データ帝国データバンク(TDB)は20日、2025年の事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査を行った結果を発表した。全国2万6389社に対して調査を行い、1万645社から有効回答を得た。
自社におけるBCPの策定状況について尋ねたところ、「策定している」企業の割合は20.4%となった。前回調査(24年5月)から0.6ポイント増加し、調査開始以来初めて2割を超えた。また規模別にみると「大企業」が38.7%(前年比1.6ポイント増)、「中小企業」は17.1%(同0.6ポイント増)とそれぞれ上昇したものの「中小企業」の伸び率は低く、規模間での策定格差は広がっている。直近の規模間の差分をみると、前々回調査(23年5月)は20.2ポイント、前回調査は20.6ポイント、今回調査は21.6ポイントと年々BCP策定率の差は拡大していることがわかる。
「現在、策定中」(7.4%、前年比0.1ポイント増)と、「策定を検討している」(22.0%、同0.9ポイント減)を合計した『策定意向あり』とする企業は49.8%(0.2ポイント減)。一方、「策定していない」企業は41.5%(0.3ポイント減)と、BCP策定率は伸びつつも依然として策定していない企業が4割を超えた。
BCPについて『策定意向あり』とする企業に対して、どのようなリスクによって事業の継続が困難になると想定しているか尋ねたところ、地震や風水害、噴火などの「自然災害」が70.8%となり、突出して高かった。次いでサイバー攻撃など含む「情報セキュリティ上のリスク」(46.1%)と、インフルエンザ、新型ウイルス、SARSなどの「感染症」(40.6%)が続いた。「中小企業」においては「従業員の退職」や「経営者の不測の事態」、「取引先の倒産・廃業」をリスクとして捉える割合が高い傾向が表れた。事業が中断するリスクに備えて実施あるいは検討している内容を尋ねたところ、「従業員の安否確認手段の整備」が68.3%で最も高くなった。次いで「情報システムのバックアップ」(59.9%)、「緊急時の指揮・命令系統の構築」(41.4%)、「災害保険への加入」(40.3%)が続き、企業として人的資源や企業資産の保護を重視している様子がわかった。
BCPを「策定していない」企業に理由を尋ねたところ、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」が42.7%でトップとなった。次いで「策定する人材を確保できない」(33.1%)、「策定する時間を確保できない」(28.6%)が続いた。さらに「中小企業」では、少数の人員で常日頃から言葉で共有をしていることなどから「策定する必要性を感じない」が19.2%、「策定する費用を確保できない」が15.7%とそれぞれ「大企業」より5ポイント以上高い結果となった。
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