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商船三井近海、新造船に低燃費主機関採用

2018年3月9日 (金)

▲コモンレール燃料噴射システムを用いた主機関

ロジスティクス商船三井は9日、同社グループ会社である商船三井近海が、MAN Diesel&Turbo(MDT社)が開発した「コモンレール燃料噴射システム」を用いた主機関を、運航予定の貨物船に採用したと発表した。

1月29日に主機関の陸上公試運転を終え、年内に就航する本船の主機として搭載される。就航後は、商船三井支援のもと、商船三井近海、MDT社と舶用ディーゼルエンジンの製造・販売を行うマキタ(香川県高松市)で継続的に就航船テストを実施する。

MAN B&W2サイクル機関に初めて同システムを採用した同機関は、MDT社のライセンシーである三井造船からサブライセンス契約を得てマキタで製造された、MAN B&Wとしてのパイロット機関。

同システムは、電動ポンプで燃料油を1000バールまで昇圧し、高圧力のままコモンレールパイプ内に貯め、電磁弁を組み込んだ燃料弁から機関出力に合わせた最適なタイミング、量、噴射パターンで燃料油を噴射できるもの。

排気弁の駆動方法を、これまでのカム軸駆動から油圧駆動に変更し、制御を電子化したことで自由に排気弁を開閉できるようになり、特に低負荷域での燃費低減効果が高くなるという。従来の同一口径の電子制御機関「6S35ME-B」に比べて、全領域での燃費低減効果を見込んでいる。

▲電磁弁組込燃料弁

また、シンプルな構造であることから、機械動作部品が少なくなり、従来よりもメンテナンスコストが削減され、機関のライフサイクルコストを低減する。

将来的には、MDT社は重油以外の代替燃料を使用した主機関へ同システムを採用することも視野に入れており、「船舶からの排出ガス規制が国際的に強化される中、地球温暖化などの環境問題へも柔軟に対応できる可能性を秘めている」(商船三井)としている。