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三菱ロジスネクスト、現場に知識なくマニュアルにも未記載

未認証56拠点でフォーク分解整備、国交省が改善指示

2018年4月24日 (火)

事件・事故国土交通省は24日、フォークリフトメーカー大手の三菱ロジスネクスト傘下の56工場で、認証を受けずにフォークリフトの分解整備作業が行われていたとして、業務改善を指示した。

同社によると、従業員への無記名アンケートで3月下旬に1件の事案を把握し、販売子会社工場282か所に対して社内調査を実施した結果、56工場で、道路運送車両法に違反して認証を受けずに分解整備を行っていたことが判明した。

フォークリフトの整備のうち、公道走行が可能なものの分解整備は、道路運送車両法に基づく認証工場で行うことになっているが、社内調査の結果、工場によっては20年程度前から長年にわたって計255台の分解整備が行われていた。

こうした不適切な対応が56か所もの工場で行われていた理由について、同社は「情けない話だがこの規定に関する知識が現場になかった」と説明。また、同社のマニュアルにも道路運送車両法のこうした規定に沿って、該当する車両については認証工場で分解整備を行うこととする記載がなかったという。

アンケートで不適切な対応が発覚した後、同社は販売子会社に対して該当する事案の有無や経緯などを調べて報告するよう指示し、4月5日に是正するよう通達。これまでに認証を受けていない工場で行われた分解整備に関する不具合は確認されていない、としている。

255台については「すべて把握しており、きょう(24日)から個別に連絡してできる限り早期に安全確認のための点検整備を無償で行う」(三菱ロジスネクスト)。

三菱ロジスネクストは、旧ニチユ三菱フォークリフトと旧ユニキャリアが昨年10月に経営統合して発足した三菱重工系のフォークリフトメーカーで、問題となった56工場は旧ニチユ三菱、ユニキャリアのいずれかには偏っておらず、経営統合以前の「20年程度前」から行われていたことから、三菱ロジスネクストに限らず「知識・認識不足」が広がっている可能性もある。

国交省では今回の事案を受け、日本産業車両協会、日本農業機械工業会、日本建設機械工業会の3団体に対し、適切な分解整備を行うよう周知することを指示した。

■三菱ロジスネクストの問い合わせ先
窓口:サービス企画課(担当:嶋津氏・川島氏)
TEL:075-956-8859