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4月以降の人手不足感更に強まる見通し、全ト協調べ

2018年5月11日 (金)

話題全日本トラック協会が11日発表した1-3月期のトラック運送業界の景況感(速報)は、運賃・料金の水準が回復基調で推移したものの、労働力不足や燃料価格上昇などによるコスト増加の影響をより大きく受けたことから、営業利益、経常損益は悪化した。その結果、景況感の判断指標は「-3」となり前回(2.2)から5.2ポイント悪化した。

今後の見通しは、労働力不足や燃料価格上昇などが来期も継続して影響し、経常損益は一段と悪化することが見込まれるため、景況感の判断指標は今回から4.3ポイント悪化し「-7.3」となる見込み。

業界の景況感は「好転」とした事業者が24%(前回26.2%)、「悪化」とした事業者は25.1%(同22.6%)で、判断指標は「-3」となり、前回(2.2)から5.2ポイント悪化した。

一般貨物は輸送数量が「減少」した事業者は23.3%、「増加」とする事業者が27.9%で、判断指標は「3.1」となり、前回(12)から8.9ポイント悪化した。営業収入(売上高)は「減少」とする事業者が22.4%、「増加」とする事業者が32%で、判断指標は「8.6」となり、前回(13.2)から4.6ポイント悪化した。営業利益は「減少」とする事業者が32%、「増加」とする事業者が23%で、判断指標は「-11.7」となり、前回(-11.5)から0.2ポイント悪化した。

宅配貨物は、輸送数量は「減少」とする事業者が33.3%、「増加」とする事業者が29.2%で判断指標は「-12.5」。前回(-39.3)から26.8ポイント改善した。売上高は「減少」とする事業者が41.6%、「増加」とする事業者が29.2%で、判断指標は「-20.8」となり、前回(-6.9)よりも13.9ポイント悪化した。営業利益は「減少」とする事業者が58.3%、「増加」とする事業者が16.7%で、判断指標は「-54.2」となり、前回(-24.1)よりも30.1ポイント悪化した。

宅配以外の特積貨物は、輸送数量が「減少」とする事業者が20%、「増加」とする事業者が38%で、判断指標は「16」となり、前回(22.2)から6.2ポイント悪化。営業収入(売上高)は「減少」とする事業者が16%、「増加」とする事業者が46%で判断指標は「30」となり、前回(39.7)から9.7ポイント悪化した。営業利益は「減少」とする事業者が26%、「増加」とする事業者が36%で、判断指標は「12」となり、前回(14.3)から2.3ポイント悪化した。

運賃・料金水準は一般貨物が「12.2」(12.8)と0.6ポイント悪化、宅配貨物は「41.7」(82.8)と41.1ポイントの大幅な悪化、宅配以外貨物は「54」(52.4)から1.6ポイント改善した。

実働率は「1.7」(11.6)と9.9ポイント悪化、実車率は「-0.7」(9.3)と10ポイント悪化し、前回と比較して輸送効率が悪化した。

採用状況は「-7.5」(-12.8)と5.3ポイント上昇、採用状況が好転したことから、雇用状況(労働力の過不足)は「91.2」(100.7)と9.5ポイント低下し、不足感が弱まった。所定外労働時間は「-7.2」(1.2)と8.4ポイント低下、所定外労働時間は減少傾向となった。

貨物の再委託(下請運送会社への委託割合)は「5.7」(9.3)と3.6ポイント低下し、貨物の再委託は減少傾向となった。一般貨物、宅配、宅配以外貨物の営業利益の悪化を背景に、経常損益は「-11.1」(-6.4)と4.7ポイント悪化、経常損益の水準は落ち込みを見せた。

業界の景況感の今後の見通しは「-7.3」(今回-3)と4.3ポイント悪化する見込み。一般貨物は運賃・料金の水準が「19.8」(12.2)と7.6ポイント改善するものの、輸送数量は「0.3」(今回3.1)と2.8ポイント悪化することから、売上高は「-1.2」(8.6)と9.8ポイント悪化するため、営業利益は「-15.9」(-11.7)と4.2ポイント悪化する見込み。

宅配貨物は輸送数量が「-33.3」(-12.5)と20.8ポイント悪化するものの、運賃・料金の水準が「58.3」(41.7)と16.6ポイント改善することから、売上高は「-16.7」(-20.8)と4.1ポイント改善、営業利益は「-20.8」(-54.2)と33.4ポイント改善する。

宅配以外の特積貨物は、輸送数量が「14」(16)と2ポイント悪化するものの、運賃・料金の水準が「58」(54)と4ポイント改善することから、売上高は「32」(30)と2ポイント改善、営業利益は「22」(12)と10ポイント改善する見込みとなった。

運賃・料金水準の今後の見通しは、一般貨物で7.6ポイント改善(今後19.8)、宅配貨物は16.6ポイント改善(今後58.3)、宅配以外貨物は4ポイント改善(今後58)する見込みで、実働率は「-0.3」(今回1.7)と2ポイント悪化、実車率は「-3.3」(今回-0.7)と2.6ポイント悪化するなど輸送効率は悪化する見通し。

採用状況は「-9」(今回-7.5)と1.5ポイント悪化し、雇用状況(労働力の不足感)は100.8(今回91.2)と9.6ポイント上昇、人材不足感が強まる。所定外労働時間は「-11.5」(今回-7.2)と4.3ポイント減少する見込みで、貨物の再委託は「5」(今回5.7)と0.7ポイント減少する。

経常損益は、労働力不足や燃料価格上昇などの影響から「-14.6」(今回-11.1)と3.5ポイント悪化し、経常損益の水準は落込む見込み。