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ヤマト運輸とオイシックス・ラ・大地が共同研究

長崎で「ベジネコ」稼働第1号、農産品物流効率化

2019年3月4日 (月)

ロジスティクス食品宅配のオイシックス・ラ・大地は4日、農産品物流特有の煩雑な受注業務や帳票作成をシンプルにするシステムとして、ヤマト運輸と共同で農業従事者向けに提供する「ベジネコ」の利用を「農事組合法人ながさき南部生産組合」(長崎県南島原市)が開始した、と発表した。

 

オイシックス・ラ・大地とヤマト運輸は、2017年10月から農産品物流の課題解決に向けたベジネコプロジェクトを開始し、受発注から配達までをワンストップで効率化するオープンプラットフォーム構築に向け、共同研究を進めていたが、ながさき南部生産組合が初の導入事業者として2月25日に利用を開始した。

日本の農産品物流は多くの場合、電話やファックスで受発注情報を集め、手作業でデータを打ち込み、再び電話やファックスでやりとりを行うなど、受発注業務が煩雑になるケースが多く、生産者や出荷団体の大きな負荷となっている。

物流事業者と円滑に情報連携する仕組みもないため、希望するタイミングやサービスレベルで輸送するのが難しく、物流事業者にとっても「積載効率が悪い」「帰り荷が無い」「長距離運行」などの課題につながっていた。

ベジネコプロジェクトは、これらの課題解決に向けて生産者や出荷団体と協議、検討を重ね、煩雑なデータ作業の効率化と物流事業者とのデータ連携を含めた輸送スキームの効率化に向けたシステム開発を進めてきた。

同プロジェクトから生まれた初の仕組みが「農産品物流特有の煩雑な受注業務や帳票作成をシンプルに効率化するシステム」で、ながさき南部生産組合が2月25日から利用を開始。3月11日には山梨県中央市の農業法人「サラダボウル」も導入することが決まっている。

両社は19年度中にソリューション第2弾として「小売店との出荷調整の効率化などにも対応できるシステム」の提供を開始し、第3弾では、これらの「デジタルデータを物流事業者と連携して輸送の効率化を図る仕組み」をつくる。最終的には、産地の販路拡大や消費地の仕入れ先拡大につながるオープンプラットフォームとして提供する計画で、21年までに1万5000の生産者による利用を目指す。