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ヤマト、東京・京浜島に海上物流の中核拠点開設

2019年3月6日 (水)

▲「東京グローバルロジゲート」外観

拠点・施設ヤマトグローバルロジスティクスジャパン(東京都中央区)は6日、大田区京浜島で海外と日本を結ぶ海上輸送の玄関口となる新たな物流拠点「東京グローバルロジゲート」を報道陣に公開した。2020年に向けて東京を中心に海上貨物の増加が見込まれるなか、集配・流通加工に対応する多機能物流施設の需要が高まるとみて、フォワーディング、通関、流通加工といった機能を新拠点に集約する。

東京港大井コンテナふ頭、羽田空港、東京貨物ターミナル駅がいずれも4キロ圏内と近く、付加価値の高い機能とスピード輸送網を兼ね備えたヤマトグループの総合物流ターミナル「羽田クロノゲート」へも2キロ、特殊梱包に対応するヤマトパッキングサービスの京浜島流通トリニティセンターには隣接しているという好立地が最大の特徴。

同施設を利用することで、例えば輸入時は、通関、CFSにおける積み下ろし、国内倉庫で行う入庫、仕分け、保管、流通加工、出荷とそれぞれの段階で生じていた横持ち輸送をなくし、コストやリードタイムの短縮を図ることが可能になる。

保税蔵置場を設け、輸入時に保税状態のまま検品、ラベル貼りといった流通加工を施すことができるようにするほか、多数の防犯カメラと24時間の有人警備も配備して高いセキュリティが必要な商材の取り扱いに対応する。

▲「東京グローバルロジゲート」内部

敷地面積は1万896平方メートル、延床面積は1万9931平方メートルで、建物は地上4階建て、倉庫部分3層構造の耐火建築物。2階部分は恒温恒湿空調管理、4階には作業用空調管理を導入し、床面も部分的に防塵塗装を施した。着車バースは大型(セミトレーラー)18台分を確保し、このうち10台はドックレベラーを設置。美術品専用のバースも2台分用意する。

▲ヤマトグローバルロジスティクスジャパン 金井宏芳氏

報道陣から「海上輸送が伸びてきたとはいえ、米中貿易摩擦などで海上輸送量が減るとの見方もある」との指摘に対し、同社の金井社長は「米中貿易摩擦による減少はあるだろうが、経済連携協定が地域ごとに活発になっているのも事実で、日本発着という観点から考えると越境ECなどの消費者向け、小口法人向けが伸びてくるだろう」と述べ、米中貿易摩擦の影響は折り込みながらも底堅い需要があるとの考えを示した。

新拠点を利用する顧客としては「アパレル・医療・化粧品などの高付加価値領域」をターゲットとして想定していると明かした。