センコー、ICタグ入出荷システムの本格運用開始

ロジスティクスセンコーと帝人は28日、ICタグを使った商品の入出荷システムを共同開発し、センコーの物流センターで本格的な運用を開始したと発表した。

センコーでは、深刻化している人手不足や作業コストの上昇に対応するため、物流センターの省人化・機械化に向けて2018年4月に「AI化プロジェクト」と「ロボティクスプロジェクト」を立ち上げていた。今回の新システム導入は、これらのうちロボティクスプロジェクトの一環として取り組んだもので、18年8月から大阪府下の物流センターで試験運用を開始、19年2月に大分メディカル物流センター（大分市）に導入した。

開発したシステムは、帝人が展開している在庫管理システム「レコピック」の技術をベースとして、実際に物流センターで運用できるよう改良を加えて実現した。

レコピックは、特殊な2次元通信シートから発信される電波の距離を制御し、ICタグを貼り付けた”管理対象物”をピンポイントで読み取ることができるRFIDシステムで、図書館や企業の文書管理、医療機関の機器管理などに使われている。

大分メディカル物流センターでは、商品の在庫やロケーション管理のため、入出庫やセンター内での保管場所を変更するたびに作業員がフォークリフトから降りて、商品や保管ラックのバーコードを読み取っていたが、新システムではパレット（荷物）や保管ラックにICタグ、フォークリフトに読み取り用アンテナシートを取り付けることで、リフト荷役作業時にフォークリフトから降りることなく、自動的に商品データを把握できるようになった。

フォークリフトのような移動体にレコピックを搭載するのは初めての事例で、センコーは全国の物流センターへの導入を視野に、帝人との連携を強化しながらシステムの運用実績を重ねていく、としている。