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インドネシアで中小EC向け物流委託プロセス実証

2019年5月17日 (金)

ロジスティクスオープンロジ(東京都豊島区)は16日、インドネシアでEC事業者と物流事業者を結ぶ物流プラットフォームの実証実験を行ったと発表した。昨年4月から1年かけて行われた実験では、中小EC事業者が物流業務を簡単に外注するプロセスと、その受け皿として提携倉庫が遊休スペースを活用するオープンロジの仕組みそのものが現地で機能するかどうかを確かめた。

▲実証した物流アウトソーシングサービスの概要

オープンロジのシステムを活用した物流実験として、ジャカルタ市内2か所・市外1か所の計3か所の提携倉庫から404件、5347個の商品出荷を実施。システムは問題なく稼働し、すべての出庫を無事故で完了した。この取り組みを通じ、システムに沿った作業とトレーニングを施すことで「現地スタッフもミスなく日本水準の作業が可能」であることを確認。

実験に協力した荷主からは、システムの使いやすさや梱包品質に対して高い評価が寄せられたほか、在庫管理・出荷の労力、保管スペースの削減でも現地中小荷主の課題解決につながった、としている。

実験は、日本貿易振興機構(JETRO)の「日ASEAN新産業創出実証事業」に採択されたことを受けて実施したもので、400件の出庫を無事故で終えたことから、同社は「日本で培ったサービスの有用性を証明した」と評価。JETRO・経済産業省とともに現地政府へ政策提言を行ったという。

インドネシアについては「現地の物流アウトソーシング市場は未成熟な一方、ECの拡大や地理的要因から成長性は高い」との感触を得たようで、「島嶼国であるインドネシアは配送距離による価格差が大きく、物流アウトソーシングによる在庫分散により消費地近くで在庫管理と発送が行えることは日本以上にメリットが大きい」と結論づけた。

こうした実験結果を踏まえ、同社は「日本で展開中のサービスが現地で展開可能であり、物流業務の標準化・効率化を通じて現地中小EC、物流事業者の課題解決に貢献できると考える。今後は実験で得られた知見と課題をふまえ、同国での事業展開を引き続き検討していく」と、同国EC向けにサービスを本格展開する可能性について検討する考え。