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博多港でアカカミアリ確認、ベトナムから10体

2019年7月1日 (月)

事件・事故環境省は6月28日、博多港アイランドシティコンテナターミナル(福岡市東区)で前の日に発見されたアリは特定外来生物のアカカミアリだったと発表した。専門家による同定でアカカミアリであることが確認された。

博多港で確認されたアカカミアリは働きアリ10体で、すでにすべて殺虫処理され、確認地点、経由地周辺では殺虫餌(ベイト剤)などが設置されている。

今回発見されたアカカミアリが潜んでいたとみられるコンテナは、6月12日にベトナムのサイゴン港から出港。同月21日、博多港にコンテナが陸揚げされ、26日博多港から内陸の物流事業者敷地にコンテナを陸送して荷下ろし、空コンテナを博多港に返送。27日に作業員が博多港のアイランドシティで空コンテナを洗浄中、コンテナ内で疑わしいアリを10個体発見した。

作業員は発見したアリを殺虫するとともに、福岡市に通報。ヒアリである可能性も高かったため、専門家に同定を依頼するとともに、発見場所の周囲には港湾関係者がベイト剤などを設置し、同日中に専門家がアカカミアリであることを確認した。

6月28日、九州地方環境事務所が関係自治体とともに経由地の物流事業者敷地で荷下ろしした貨物、敷地内を調査したところ、疑わしいアリは確認されなかった。周辺に殺虫餌(ベイト剤)、トラップを設置した。

九州地方環境事務所では、コンテナ開封時などにヒアリやアカカミアリと疑わしいアリを発見した場合「まずは刺激を避けつつ、コンテナのどの箇所にどの程度の生きたアリ類がいるか」などの状況を確認し、「多数の生きたアリ類の集団がいる(予想される)場合は、コンテナの扉を閉めて逃げ出さないよう静置するとともに、関係機関に連絡し、取り扱いを相談してほしい」としている。

国内では沖縄本島、伊江島、硫黄島のほか、兵庫県、愛知県、大阪府などでも見つかっており、2017年7月14日には東京港青海ふ頭でも発見された。刺されるとアルカロイド系の毒で激しい痛みを覚え、水泡状に腫れる。毒に対するアレルギー反応を引き起こすケースもあり、北米だけでも年間1500件近い被害が発生。1996年に沖縄島の基地で刺された米軍兵が、強度のアナフィラキシーショックを引き起こした例が知られている。