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PDR活用しGPS環境外でも誤差1.5メートル、大手物流企業が採用

スマホで室内現場1000人の位置情報管理を実用化

2019年10月8日 (火)

サービス・商品計測関連事業を手掛けるサイトセンシング(東京都千代田区)は8日、倉庫・工場・地下施設などで働く作業員の位置情報を見える化し、最大で1000人分の動きをリアルタイムで計測可能なトータルソリューションサービス「トラッキングナビ」をNSD先端技術研究所(同)から提供開始した、と発表した。

同サービスは、作業員の装着機器から得た加速度・方角などのデータを用いて位置情報を割り出す技術「歩行者自律航法」(PDR)を活用し、GPS環境外でも誤差1.5メートル程度で作業員の位置情報を捕捉できるもので、同社は専用の装着機器の代わりにスマートフォンを用いることで、導入のハードルを下げることに成功。高価な専用機器を用いずに、「Android OS」(アンドロイド)を搭載したスマートフォンにアプリをインストールするだけで利用できるようにした。

▲地図や構内図に作業員の移動軌跡をリアルタイムで表示する(出所:サイトセンシング)

▲作業員がどのエリアにいたのかを時間軸で表示することも可能

得られた位置情報データは、現場のレイアウトに落とし込むことで、個別作業量の把握、休憩管理、倉庫レイアウトの再考、人件費の原価計算などに役立てられるほか、火災などの事故が起きた際には安否確認にも活用できる。

実用化にあたり同社は、NSD先端技術研究所と事業提携し、9月には物流倉庫と製造工場で大規模な検証試験を実施。協力企業から高い評価を得たことから同サービスの提供に踏み切った。既に大手物流企業が導入を決めているという。