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運輸安全委員会、貨物船護岸衝突事故の報告書公表

2019年12月19日 (木)

調査・データ運輸安全委員会・海事部会は19日、2018年10月1日に発生した貨物船「MARINA」(マリーナ号、1920トン)の護岸衝突事故についての報告書を公表した。

この事故は、マリーナ号が台風24号の接近に伴い京浜港横浜区に錨泊していたところ、錨を海中に降ろした状態で流される「走錨」を起こし、北東方向に流された末に川崎区扇島の護岸に衝突したもので、マリーナ号は右舷尾部を破損、護岸はコンクリート製の胸壁に圧壊が生じた。乗組員は衝突後に護岸に退避したため、死傷者はなかった。

委員会はこの事故の原因を、海上台風警報が発表されていた状況下でマリーナ号が錨を1つだけ海中に降ろす「単錨泊」を続けたために走錨を起こし、護岸に衝突したと結論付け、再発防止策として(1)錨泊時は錨鎖を可能な限り伸長し、単錨泊中には必要に応じて多舷錨を使用して「振れ止め錨」とする(2)急速に変化する風向き、風速に対応するため、あらかじめ主機と舵を準備し、振れ回り運動を抑制する(3)最新の気象情報を入手して正確な予測を行う――ことをマリーナ号の船舶管理会社へ勧告した。

▲事故を起こしたマリーナ号(出所:運輸安全委員会・海事部会)