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SBSグループ、埼玉・千葉の物流施設をシンガポール政府系リートに売却

2010年9月2日 (木)

ロジスティクスSBSグループの金融事業会社エーマックスは2日、シンガポール政府系投資会社のテマセクホールディングスグループに3つの物流施設を売却(流動化)する契約を締結したと発表した。対象となる物流施設は野田(千葉県野田市)、入間(埼玉県入間市)、岩槻物流センター(さいたま市)で、契約は1日付。SBSグループは3施設合わせて80億円を回収、最終利益は5億円となる見込み。回収資金は主に有利子負債の返済に充て、財務基盤の強化につなげる。

 

エーマックスはSBSグループの物流事業に必要な施設を開発・提供するほか、独自に顧客を発掘して物流施設などの不動産を開発、賃貸する事業も行っている。こうした機能をSBSグループが備えることで、同社の3PL事業は荷主企業に最適なセンターを用意できることにつながり、波及する経済効果も大きくなるメリットがある。

 

物流施設の開発には数十億円以上の資金規模が必要となることから、エーマックスでは開発済みの物流施設を流動化などの手法を用いて資金回収するスキームを構築しており、今回の売却はこの一環として実施するもの。

 

売却する3施設は、販売用が2件と物流事業用に保有している1件で、今月下旬に物件の引き渡しを行う。現在、物流事業で使用している野田物流センターについては、引き続き利用する目的で賃貸契約を締結し、SBSグループの基幹センターとして運用する。

 

売却先は、メープルツリー・インベストメンツ・ジャパンが運営する合同会社「サマラ・ロジスティクス・1」。メープルツリー・インベストメンツ・ジャパンは、シンガポール政府系投資会社であるテマセクホールディングスの子会社であるメープルツリー社が中心となって組成する「メープルツリー・ロジスティクス・トラスト」が、2007年に日本に設立した。メープルツリー・インベストメンツ・ジャパンは現在、日本国内で9件の物流施設を運用・管理している。

 

■流動化(売却)施設
<野田物流センター>
所在地:千葉県野田市木野崎
売却額:48億円
土地面積:2.4万平方メートル
延床面積:3.6万平方メートル
竣工:2009年
現況:自家使用

 

<入間物流センター>
所在地:埼玉県入間市上藤沢
売却額:34億円
土地面積:2.6万平方メートル
延床面積:2.6万平方メートル
竣工:2008年
現況:賃貸中

 

<岩槻物流センター>
所在地:埼玉県さいたま市岩槻区
売却額:持分所有(28.5%)のため非表示
土地面積:3.9万平方メートル
延床面積:2.8万平方メートル
竣工:2007年
現況:賃貸中