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ヤマトが置き配指定開始、ZHDのECサイトから実装

2020年6月16日 (火)

ECヤマト運輸は16日、ECサイトの利用者が同社の置き配を配送手段として指定できるようになる新配送商品「EAZY」(イージー)を6月24日からEC事業者向けに提供すると発表した。6月24日からファッション通販サイト「ZOZOTOWN」が同サービスを実装し、25日からはオンラインショピングモール「Yahoo!ショッピング」と「PayPayモール」の出店者から導入の申し込みを受け付ける。

(出所:ヤマト運輸)

ヤマト運輸が「EC利用者の多様なニーズに徹底的に応えることを目指した」とする同商品は、玄関ドア前、宅配ボックス、ガスメーターボックス、物置、車庫、自転車のかご、建物内の受付・管理人預け――など、多様な配達場所を指定できるだけでなく、荷物を受け取る直前まで指定場所を変更できるのが特徴。利用者は急な用事や天候の変化に合わせてウェブサイト上で指定場所を変更できる。また、配達完了後には指定場所に荷物が置かれたことを知らせるメールが届き、配達員が撮影した荷物の写真を確認することができる。

6月24日からZOZOTOWNで提供される同サービスは、購入者に対してヤマト運輸が配達予定を知らせるメールを送付し、メールに記載されている専用ウェブサイトから受取場所を指定するものだが、10月からはECサイト上で商品購入時に受取場所を指定できる仕様に変更する。

(出所:ZOZO)

EC事業者にとっては顧客満足度を向上させる新配送商品として歓迎されそうだが、サービスの実装には出荷予定データの連携が必要となるため、システム改修を伴う場合がある。導入費用や運送料金については相対契約に基づいて設定するとしており、基準は示されていない。出荷数に応じて個別に設定するものと思われる。

また、ヤマト運輸は新配送商品を提供するにあたり、「イージークルー」と呼ばれる配送パートナーを募集し、ECに特化した配送システムを構築すると発表しており、配送委託先となる一般貨物運送事業者や軽貨物運送事業者の参加を募る。今後、配送パートナーに対しては配送支援や教育支援を行うと同時に、運転免許を保有していない人でも使用できる次世代モビリティを提供し、持続的な関係性を構築していくという。

新商品は、「EC利用者の多様なニーズに徹底的に応えることを目指した」商品ではあるものの、裏を返せば配達員に負担のかかる配送サービスともいえる。置き配によって再配達が減少し、配達員の負担が軽減されたというデータはあるが、一方でかねてからのEC市場拡大と”巣ごもり消費”によってECの荷物は急激に増加している。どれくらいの事業者が「イージークルー」に手を挙げるのかは、配送作業負荷と配送委託料金のバランス次第といえそうだ。

 

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