ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

三菱重工、米火力発電所で回収CO2の貯留開始

2012年9月18日 (火)

荷主三菱重工業は14日、米国大手電力会社のサザンカンパニーと共同で進めている石炭火力発電所排ガスからのCO2回収・貯留実証試験で、回収したCO2の地下への注入が始まったと発表した。排ガス中に煤塵などの不純物が多い石炭火力発電所を対象に、1日500トン規模のCO2回収と貯留を一貫して行うのは世界で初めて。

 

プロジェクトは、アラバマ州にあるサザンカンパニーのバリー火力発電所内に建設した石炭焚き排ガスCO2回収実証プラントで、排ガス中から回収・圧縮したCO2を12マイル西にあるシトロネル・ドームの地下3000-3400メートルにある帯水層に貯留するもの。CO2貯留は、米エネルギー省(DOE)の温室効果ガス対策プロジェクトの一環として行われる。

 

CO2貯留は、アラバマ州政府からの許可が下りたのを受けてスタートし、段階的にCO2供給量を拡大。現在は、フルスケールである1日500トン規模に達している。

 

同社は今回のプロジェクト全体の中で、CO2の回収・圧縮の基本計画からエンジニアリング、コア機器の供給、実証運転時の技術サポートを担当している。

 

今回のCO2回収・貯留実証試験への参画を通じ、同社は「商用規模でも高い信頼性と経済性を発揮できることを世界に示し、石炭焚き排ガスからのCO2回収技術の商用化実現へとつなげていく」としている。