ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

東京港で輸出14.2%減少、各港の上半期貿易額

2020年7月20日 (月)

調査・データ財務省が20日発表した2020年度上半期の貿易統計(速報)は、輸出が15.4%減(前年同期比)の32兆3642億円、輸入が15.3%減の34兆6038億円と、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の影響が色濃く反映されたものとなった。各税関がまとめた統計も出揃いつつあるが、20日時点で発表となった東京、大阪、門司、沖縄地区の4税関がまとめた速報値をみると、東京港の輸出、羽田空港の輸出入が目立った。

東京港の輸出14.2%減-東京税関
東京港は輸出で半導体製造装置、自動車部品、エンジンなどの減少が響き、3期連続減の2兆4857億円(14.2%減)となったが、輸入は2期連続減の5兆4776億円(3.4%減)にとどまった。魚介類・同調製品、たばこ、電算機類などが減少した。

成田空港は輸出入ともに3期連続で減少した。輸出は科学光学機器、エンジン、電気回路などの機器の減少が大きく、4兆7986億円(6.7%減)。輸入は6兆1848億円(1.9%減)で原動機、航空機類、通信機などが減少した。

羽田空港は輸出が5期連続減、輸入は8期ぶりに減少した。輸出は1363億円(19.6%減)で、再輸出品、金属製品、化粧品類などが減少した。輸入は航空機類、バッグ類、ICなどが減少し、3296億円(35.4%減)と大きな落ち込みとなった。

横浜港、3期連続減少-横浜税関
横浜港の輸出額は2兆7859億円(20.2%減)で3期連続の減少。全国の貿易に占めるシェアは0.5ポイント減少し、8.6%となった。自動車、自動車部品、金属加工機械の輸出が減少したため。輸入額は2兆1317億円(15.2%減)で2期連続減。原油・粗油、非鉄金属、事務用機器の減少が響いた。

関西空港、6月輸出のマイナス幅拡大-大阪税関
大阪港は輸出が1兆7495億円(5.2%減)、輸入が2兆2557億円(3.3%減)と、他港に比べて影響が限定的だった。中国向け輸出が4期ぶりにプラスとなったほか、米国、EUからの輸入も増加した。関西空港は輸出が3.3%減の2兆3639億円、輸入が6.6%減の1兆8205億円と大阪港同様の実績となったが、輸出が4か月連続で減少傾向を示し、直近の6月分に限定すると12.6%の減少とマイナス幅が拡大しているのが懸念される。

■輸出入いずれも3期連続マイナス-神戸税関
神戸港の貿易額は、輸出・輸入・総額いずれも3期連続のマイナスとなった。輸出は主に米国向け建設用・鉱山用機械、中国向け自動車の部分品などが減少、輸入は米国、中国からの無機化合物などが減少した。輸出額は2兆3785億円(16.2%減)、輸入額は1兆5054億円(9.2%減)にとどまった。

自動車輸出31%減-門司税関
門司税関がカバーする「九州経済圏」では、輸出が19%減の3兆4468億円、輸入が15.7%減の2兆8700億円とともに減少した。半導体製造装置の輸出が5期ぶりに増加に転じ、23.6%の伸びを示した一方、自動車輸出は31%と大きく落ち込み、石油製品も72.7%減少した。

輸出総額2期ぶり増加-沖縄地区税関
輸出総額は196億700万円の19%増と、2期ぶりに増加した。再輸出品(36.9%増)、一般機械(2.1倍)、金属鉱・くず(10.2%増)などの増加が目立ったが、輸送用機器(58.9%減)、パルプ、古紙(43.9%減)、精油・香料・化粧品類(62.3%減)など、減少した品目もみられた。輸入総額は650億3300万円(13.3%減)で5期連続の減少。輸送用機器(85.1%減)、石炭(36.2%減)、原粗油(37.6%減)などの落ち込みが大きくなった。