ロジスティクス資本業務提携を結ぶSGホールディングスと日立物流は24日、提携関係を見直すと発表した。当初は「数年内の経営統合」も視野に入れていたが、「それぞれ独自に成長戦略を推進することが、企業価値の最大化に寄与するとの結論に達し」たとして、株式の持ち合いを解消することになった。
日立物流が持つ佐川急便の株式20%はSGホールディングスに875億円で譲渡、SGが持つ日立物流の株式29%については988億円を上限とする自己株式の取得・買い付けを実施し、これにSG側が一部を売却する形を取る。
両社は2016年3月30日に資本業務提携を締結し、日立物流の3PL事業と佐川急便の宅配事業を組み合わせる提携戦略を発表し、ECプラットフォームセンターの立ち上げなどで協業にも取り組んだが、日立物流が掲げた協業目標値「売上500億円(後に200億円へ引き下げ)、営業利益20億円」の達成に苦戦。
それでも19年5月24日に行われた中期経営計画説明会で日立物流の中谷康夫社長は、SGホールディングスとの関係について「SGHとの協創は非常に有効だと実感しているし、今後も大きな可能性を秘めている」と評価した上で「将来の方向性をお互いにきちんと擦り合わせができるか」がポイントになるとの考えを示していた。
しかし、SG側では提携を主導した町田公志SGホールディングス元社長がグループを離れ、日立物流側でも20年3月期決算説明資料で、それまで「SGHとの協創」としていた取り組みをから「SGH」の文字が消えるなど、徐々にトーンダウン。実質的に提携関係を解消したともいえる結果となった。