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ANAカーゴ、来年3月まで沖縄貨物ハブ運休を決定

2020年9月28日 (月)

ロジスティクスANAカーゴはこのほど、10月25日から2021年3月27日までの冬期運航計画を発表し、新型コロナウイルスの影響を受けた沖縄貨物ハブネットワークの全便運休を3月27日まで継続することと、成田-独フランクフルト線を定期便として運航することなどを明らかにした。沖縄発着の国際貨物は羽田・成田を経由するルートで輸送する。

沖縄貨物ハブネットワークは、沖縄県をアジアの中継輸送拠点とする構想で、ことし3月末までアジアの主要都市との間で週50便を運航していた。しかし、新型コロナウイルスの影響で各国の渡航制限が厳しくなる中、貨物便の運航を担っていた外国人派遣パイロットの確保が難しくなり、また、緊急輸送の需要が高まったことから、同社は4月から成田空港を中心とする輸送に切り替えた。

(出所:ANAカーゴ)

同社広報によると、これまでは「1か月先までの輸送計画を発表するのがやっとだったが、グループ内でパイロットと機材を賄う見込みがたった」ことから、冬期運航計画として発表したという。パイロットは、運航する機種ごとに操縦資格が必要となるが、同型機であれば貨物専用機と旅客機はコックピットも資格も共通であるため、旅客機を運航していた全日空グループのパイロットが貨物機を操縦し、貨物路線を維持する。

従来の沖縄貨物ハブではなく、成田を中心にネットワークを構築する理由は、臨時便やチャーター便といった「緊急輸送需要に対応するため」で、沖縄貨物ハブを推進する沖縄県とも協議した結果だという。

ANAカーゴは、今回発表した定期便以外に、臨時便やチャーター便、旅客機を活用した貨物専用便の運航計画を月次で発表する方針を明らかにしており、今後も臨機応変な機材・パイロットのやり繰りが求められることから、旅客機・貨物専用機・パイロットを羽田・成田に集約して対応。

これまで中継輸送ルートに載せていた沖縄発着の国際貨物は、旅客便で沖縄-羽田間を輸送し、バンコク(タイ)行き以外は羽田-成田間をトラックで輸送、成田発着の貨物便または旅客便に搭載する。バンコク行きは羽田空港から旅客便に搭載する。

▲沖縄発着の国際貨物輸送ルート(出所:ANAカーゴ)

今回新たに定期便運航が決まった成田-フランクフルト線は、6月からチャーター便として週1便を運航、9月からは週2便としており、今後も輸送需要が見込めることから、定期便として年内は週2便、年明けから週1便の運航を決定。機材は、これまでのチャーター便と同じ大型機材(B777F型機)を使用する。

沖縄貨物ハブネットワークの再開見込みについては、「現時点ではっきりとした見通しはたっていない」(同社広報)と回答している。

■冬ダイヤの運航計画

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