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カンダHDが子会社元役員の横領調査終了、着服7億円

2020年9月29日 (火)

事件・事故カンダホールディングスは29日、傘下の運送会社「レキスト」(東京都千代田区)で、経理財務担当の元役員による横領の疑いが発覚した事件について、社内調査委員会による調査が終了し、報告書が取締役会に提出された、と発表した。

社内調査の結果、元役員は経理財務の担当責任者としての地位を利用し、毎月の給与を数百万円水増しし、自己名義の複数の銀行口座に金銭を振り分けて振込み、着服していた事実が判明。

着服行為は2000年4月から20年3月までの20年間に及び、その間に元役員が不正に得た金額は7億1921万円に上った。

調査委は、不正が20年間も発覚しなかった原因として「(元役員は)レキスト設立以来異動がなく、取締役管理本部長として給与振り込みや会計事務に関して実務を含め唯一の担当者であり、他者はそれに関与してはいけないとの認識ができあがっていた」と指摘。

カンダホールディングスグループでは、統一給与システムへの変更を進めていたが、元役員が「事務効率の低下」を主張するなどレキストが強硬に反対したため、同社のシステム変更は見送りとなり、給与システムのデータが銀行の給与振込システムや会計システムに連動せず、データを修正ができる環境となっていた。

また、不正発見のきっかけとなった「処理明細表」が元役員により容易に隠せる職場環境であったこと、カンダホールディングスの内部監査でもその点検までを監査項目としていなかったこと――なども要因として報告した。

カンダホールディングスでは「供述と各銀行口座などによる客観的な入出金取引明細の調査によれば、毎月領得した金銭の使途は、遊興費、投資資金、その損失の穴埋めであり、被害額の回収可能性は極めて低いと言わざるを得ない。今後の刑事告訴の準備に関することや被害額の回収は、管理本部長を責任者として総務部、経理部が連携しながら取り組む」と表明。原島藤寿社長が役員報酬月額30%を3か月間返納するとしている。

カンダHD、子会社「レキスト」で不正事案再び発覚