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神戸港、東南アからの集貨拡大策で香港向け玄米輸送

2020年10月16日 (金)

国内阪神国際港湾と神戸市は16日、東南アジアから神戸港に貨物を集める官民一体のプロジェクトチームが今年度取り組むトライアル事業の一つとして、神戸港を拠点に香港へ玄米を輸送する、と発表した。

玄米輸送の事業は中四国クボタがプロジェクトチームに提案して採用されたもので、地方港に一定品質で保管可能な倉庫が不足し、ばら積み荷役対応の業者も足りないという課題の解決策として、「神戸港を拠点とした定温管理が必要な玄米の保管、出荷に対応できる体制の確立」を目指す。

▲神戸港を拠点とした玄米輸送のトライアル(出所:阪神国際港湾)

プロジェクトチームではこのほか「神戸CFS(コンテナフレートステーション)、神戸港を基点としたレール&シー輸送」(実施済み)と「神戸港を拠点としたシャインマスカット輸送」(実施中)の2事業もトライアル対象として採択している。

すでに終了したレール&シー輸送のトライアルでは、伊藤忠ロジスティクスが実施事業者となり、東京CFSと東京港を基点とした従来の輸送方法から、神戸CFS、神戸港へ基点を変更し、神戸港までJR貨物列車で輸送して上海へ輸出する過程を検証した。

▲神戸CFSと神戸港を基点としたレイル・アンド・シーのトライアル(出所:阪神国際港湾)

トライアル前には関東方面のCFS倉庫スペースのひっ迫、3軸シャーシの不足による輸送スケジュールへの支障が課題となっていたが、実施後は神戸CFS、神戸港を基点とした新たな輸送ルートを確立。ほかの貨物輸送に横展開できる可能性も確認できたという。

また、神戸港を拠点としたシャインマスカット輸送では、日本農業が実施を受け持ち、山梨県産シャインマスカットを強度の高い梱包材、鮮度保持資材で台湾などにリーファーコンテナで輸出する。この取り組みは、販路、取扱量の拡大で航空輸送コストが増加したことから、現地需要と鮮度保持に対応した海上輸送方法の確立を目指すもので、出荷増に対応する新たな輸送ルートを検証する。