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日航など9団体、上五島町で無人ヘリ輸送実証

2020年10月27日 (火)

国内日本航空は26日、長崎県新上五島町やヤマハ発動機など9社・団体と設立した「新上五島町ソリューション協議会」の枠組みで、無人ヘリコプターを活用して新上五島町の医療・物流課題の解決を目指し、物流ネットワークを構築すると発表した。

協議会には長崎県上五島病院、新上五島町若松国民健康保険診療所、上五島部会内郵便局、新上五島町観光物産協会、五島軽運送、東京大学スカイフロンティア社会連携講座――が名を連ね、国土交通省から「2020年度スマートアイランド推進実証調査」を受託する形で実証実験を行う。日航が代表を務める。

実証実験は、日航が行った「無人ヘリコプターによる空港間目視外飛行」の貨物輸送実験で得た情報を活用し、実証段階から実用化に向けて必要な安全運航に関するデータを取得するほか、科学的な検証も行う。

新型コロナウイルスの検体採取から検査結果判明までの時間短縮、緊急手術に備えるための上五島病院での血液在庫の適正管理、日用品や郵便物の輸送での有効な活用方法の検討、新たな市場開発に向けた離島の朝獲れ鮮魚の首都圏への同日輸送と商流の構築――などを解決すべき課題として設定し、11月3日から10日間、上五島町と同県小値賀町、佐世保市で、日航本社ビルからの遠隔操作で3パターンのルートを使い、輸送実証調査を実施する。

使用する無人ヘリコプターはヤマハ発動機製の産業用無人ヘリコプター「FAZERRG2」で全長は3665ミリ×734ミリ×1226ミリ。機体本体の重量は80キロ、最大離陸重量は110キロで、航続距離は90キロ。35キロの荷物を積載できる。航続時間は100分、最高速度は時速72キロとなっており、燃料はレギュラーガソリンを用いる。

■2月に行った実証実験の様子