メディカルシスメックスは9日、中国市場の需要増加に対応するため、中国の試薬生産拠点「済南希森美康医用電子有限公司」の敷地内に新たな生産工場を建設すると発表した。今後の中国市場の成長に対応した柔軟な生産体制を備えた工場として、2012年5月の生産稼動を目指し、試薬の安定供給体制を整備していく。
シスメックスは、1995年済南に中国で最初の試薬生産工場、2003年無錫に第二生産工場を設立し、中国市場へ試薬を安定供給してきた。中国の売上高は、同社の主力である血球計数検査分野を中心に、機器・試薬を含め100億円を越える規模となった。
中国では、医療制度改革と同時に医療環境の整備が進められ、検査への需要が拡大していることから、中国市場へ安定的に供給していくには、生産体制の整備・拡充が急務と判断し、新たな生産工場を建設することにしたもの。
新たな生産工場は、現在の敷地内に建設し、今後の需要拡大を見越して現在の生産量の約5倍に対応できるよう生産ラインを整備する。また、事務スペースを工場内に併設し、延床面積は現在の約1.6倍になる。このほか、厚生棟を新設し、工場内はリフレッシュ効果の高いといわれる自然光を可能な限り取り入れ、従業員が働きやすい環境を整える。
また、環境に配慮した工場運営・管理を行うために、省エネ設備の導入や雨水・排水などの再利用、敷地内の緑化などを推進していく。
■新工場の概要
所在地:中国山東省済南市(済南希森美康医用電子有限公司の敷地内)
投資総額:11億円
新規建造物・面積:工場棟(2階建て)延床面積5767平方メートル、厚生棟(1階建て)延床面積553平方メートル
敷地面積:約2万8000平方メートル