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エミレーツ、ワクチン輸送想定し巨大旅客機投入

2020年11月12日 (木)

▲A380型機(出所:エミレーツ)

メディカルエミレーツ航空の貨物運送部門であるエミレーツスカイカーゴは現地時間11日、緊急物資輸送に使用される貨物チャーター便の運航に、総2階建てで世界最大の旅客機「エアバスA380」を投入すると発表した。

「ミニフレイター」(ミニ貨物機)と名付けられたこのサービスは、世界最大の旅客機であるA380に乗客を乗せず、貨物だけを載せるもので、客室下貨物スペースに最大50トンの貨物を積載可能。同社は客室の座席の上に貨物を積載するなどの取り組みを進め、旅客需要の減少で出番を失ったA380の有効活用を狙う。

また、同社は本拠地であるドバイ(アラブ首長国連邦)に、新型コロナウイルスのワクチン輸送を想定した「世界最大」(エミレーツ)の医薬品航空流通拠点を建設しており、今回のA380投入で、今後急速な需要増加と輸送スペース不足が想定される航空貨物輸送力を増強する。

▲ワクチン専用流通拠点の竣工イメージ(出所:エミレーツ)

これまで同社の貨物専用便は、貨物専用機のボーイング777F型機と、旅客機のボーイング777-300ER型機を用いて運航し、ボーイング777-ER型機のうち14機では、エコノミークラスの座席を取り外して貨物を積んでいたが、A380では座席を取り外す予定はないもよう。

ドバイに新設する新型コロナウイルス専用のワクチン流通拠点には、医薬品の適正流通基準であるGDPに準拠した4000平方メートルの低温倉庫を設け、2度-8度の温度帯で1000万本のワクチンを保管することができるようになるという。

■新設するワクチン流通拠点のイメージ動画

コロナ対策ワクチン輸送、深刻な輸送力不足のおそれ