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専門業者の消毒追いつかず、東京の拠点閉鎖決断

2020年11月13日 (金)

国内内外トランスラインは13日、東京支店(東京都中央区)で新たに新型コロナウイルス感染者1人が確認され、同日から16日まで同支店での業務を休止することを発表した。

東京支店では、10日に1人目の感染者が確認され、13日に2人目の感染が判明。1人目の感染が判明した際には、同日中に専門業者による消毒を手配できたが、今回は都内で感染者が急増していることもあり、16日夜まで消毒業者を手配できないため、消毒作業が終了するまで支店内の業務休止を決めた。東京支店に勤務する社員は、16日までテレワークとし、同支店への問い合わせ対応を大阪本社がサポートする。

取材に対し同社は、「社内で感染した可能性は低いとされている」としながらも、「複数の事業者が同じオフィスビル内に入居しているため、感染者の発生をすぐに公表することとした。社内の新型コロナウイルス対策室が感染者発生後の対応を決めていたので、これに従って迅速に決断した」と今回の対応の背景を説明。

同社では、これまでにもテレワークや時差出勤、体調不良者の経過観察など、可能な限り対策を施してきた。10日と13日に判明した感染者の濃厚接触者についても、保健所の指示従って適切に対処しているという。

今回のケースからは、東京・大阪・北海道をはじめ、全国的に感染者が急増している中、消毒作業を行う専門業者の対応が追いついていない様子がうかがえる。物流業界では、10月以降少なくとも3件のクラスター(集団感染)が確認されているが、感染者が少ない地域でも、そもそも専門業者の数が足りず、大規模な消毒を実施できない事態が発生するかもしれない。ライフラインを支える物流事業者には、感染の拡大を最小限に抑える事前準備と迅速な判断が求められる。

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