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センコーGHD、老舗卸・小売の寺内を買収

2020年12月1日 (火)

M&Aセンコーグループホールディングスは1日、総合卸売・小売事業を手がける寺内(大阪市中央区)の全株式を取得し、11月30日にグループ化したと発表した。

寺内は個人会員100万人を抱える会員制卸・小売業の老舗企業で、仕入れ先は大手メーカーなど1500社。大阪市中央区に商業ビル「ファンビタウン」4棟、福岡・博多にも1棟を構え、主に服飾雑貨、ブランド品、衣料品、日用雑貨、バラエティ雑貨、化粧品や食品などを幅広く販売、生活雑貨「クロワッサン」ブランドなどの店舗を25店展開し、ネットストア販売も展開している。

センコーGHDは、寺内の会員に対してライフサポート事業として運営する老人ホーム、介護、保育などのサービスを提供するほか、寺内の扱う豊富な商品をセンコーグループ従業員や顧客に紹介し、相乗効果の創出を図る。

アパレル物流強化が出口で待っている

センコーグループの生活関連サービス分野(ライフサポート事業)への投資が活発だ。2017年-2021の中期経営計画で最大伸び率を策定した新規事業は着々と進み、その出口で衣料・雑貨品の生活物流が待ち受けて、総合サービスの完結がなされる――という伏線の回収に滞りはなさそうだ。

東京納品代行やアクロストランスポートのような大手流通事業者向けから中小アパレル対象の物流サービスまで網羅できる構えとなったことも印象深い。

今回グループ化した寺内に限らず、大阪や名古屋の同業他社は、ECのスタートアップ事業者の資金繰りや仕入技術のサポート機能という一面も有している。隆盛の途にあるEC市場における「未来の強者との出会い」までも、グループ内で取り込める下地、というのは勘ぐりが過ぎるというものかもしれないが。(企画編集委員・永田利紀)