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物流連がコロナ調査の最終報告、対応強化呼びかけ

2021年2月5日 (金)

調査・データ日本物流団体連合会(物流連)は5日、「物流企業における新型コロナウイルス感染症への対応動向調査報告書」を公表した。昨年12月に速報として概要を発表していたもので、コロナ禍が長期化する現下における会員企業の対応状況や、今後の課題などを集約した。

調査は昨年の9月と10月にかけて、会員企業81社を対象にアンケートで実施。回答社数は29社、回答率は35.8%で、回答した企業の55.2%がグループ企業を含む社内で感染者を確認していた。29社のうち10社は11月に実施したヒアリング調査に参加し、感染の第3波を迎えて変化する状況や、各種の対応策について報告した。

今回の報告書において物流連は、過半数の企業で感染者が確認されたこともあり、各輸送モードにおける対策は概ね進んだとの見解を示した一方、協力会社などとの連携には強化の余地があることを指摘。個社での努力には限界があることを踏まえて、荷主や社会からの理解と協力が必要となることを強調し、関係者間における情報交換の活発化に期待した。

具体的には、職場におけるクラスター感染発生の防止に向けた対策マニュアルや、発生時から復旧までの行動タイムラインの共有などを提案。また、多くの現場作業において接触・対面作業に紙ベースの仕事が残ることから、さらなる電子化やペーパーレス化などに向けた関係者間の調整を求めた。

そのほか、複合災害が発生するリスクへの備えについては、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時発生は回避されたものの、先日には寒波襲来による高速道路の一時不通があったことに言及。今後は季節性の自然災害の発生と複合した場合の対応についても留意すべきとした。

テレワーク推進において心配されるコミュニケーションや生産性の担保については、さまざまな課題が指摘される一方で、先進的な企業では分析が進んでいる旨を説明。「職務記述書」により各人の職務や責任を定義して混乱を回避しているケースなどを紹介し、さらなる検討を促した。また、これらの課題や努力に加えて、雇用調整助成金の給付延長を望む声が寄せられていることについても伝えた。