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鉄道貨物協会、養生対策や新コンテナの必要性訴え

2021年3月9日 (火)

ロジスティクス鉄道貨物協会はこのほど、1月に開催した利用促進委員会の審議内容について公表し、鉄道コンテナの輸送品質向上に向けた、貨物事故防止対策に関する提案をまとめたことを明らかにした。養生資材とその情報の共有化や、新たな機能を備えたコンテナの開発などの必要性を訴えている。なお、会合は政府の緊急事態宣言を受けて書面で開催した。

養生資材については、このほど実施したヒアリング調査において、パレット積み清涼飲料水の輸送で使用する養生資材を見直し、段ボール製の厚板紙に変更した結果、それまで多発していた荷ズレなどが大幅に減少した事例があったことを説明。一方で「同様の事故発生に苦慮する事業者は少なくない」との見方を示し、貨物事故の減少例における養生資材や養生方法などの情報については、物流関係者間で広く共有する必要があるとした。その上で、荷主企業や関連団体との連携も重要であると強調した。

また、養生資材の購入費や、エアバッグなど再利用可能な養生資材の返送費用を、ほとんどの事例において荷主企業ではなく、利用運送事業者が負担していることを問題視。費用負担軽減に向けた策として、利用運送事業者と鉄道事業者が共同で再使用可能な養生資材を集約するスペースを設け、デポジット制度などを取り入れて利用を促進する仕組みの構築などが可能と説明した。ただしその際には、適切に管理するためのルール作りなど、クリアすべき課題があることも指摘した。

新たな機能を備えたコンテナの開発については、ヒアリング調査を行ったところ、防振コンテナや防振資材に期待する意見が多かったことを報告。今後については、防振機能を備えたコンテナの開発に向けた検討が必要と主張するとともに、「臭気感染なども防止する、付加価値の高いコンテナの検討が望まれる」と付け加えた。