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カワキタエクス、人材の360度評価でGAA最優秀賞

2026年3月4日 (水)

認証・表彰三重県亀山市に本社を置くカワキタエクスプレスは3日、グッドアクションアワード(GAA)において最優秀賞を受賞した。同賞は、インディードリクルートパートナーズが主催し、「一人一人がイキイキと働ける職場を作りたい」という想いのこもった価値ある取り組み(アクション)を日本中にシェアすることを目的とするもの。第12回となる今年度は、業界の慣習に捉われず、職場のあるべき姿を追求した6件の取り組みが受賞した。

▲グッドアクションアワード最優秀賞を受賞したカワキタエクスプレスの川北辰実社長(左)

同社が評価されたのは、物流業界の「当たり前」を疑い、ドライバーの価値観を根本から変える人事評価制度の構築によるもの。川北辰実社長は、従来の「走った分だけ稼ぐ」歩合制から2010年に月給制へ移行した背景を、「運送業界は肉体労働的なスタイルだったが、これからの若い世代には無理。一般企業と同じ、普通の会社としての体をなさなければならない」と振り返る。

川北社長は、運送業界における「品質」の捉え方について、飲食店を例に独自の持論を展開している。「安全や荷物の数を間違えないのは、飲食店でいえば食中毒を起こさないのと同じ『当たり前』の最低ライン。この業界ではそのレベルが品質向上と言われがちだが、本当の価値を上げるにはそれだけでは足りない」

同社が追求するのは、その先にある「人の対応」による差別化。「お客さんから見て特別な何かがあるかといえば、結局は人の対応しかない」との考えから、評価の軸を「運送の量」ではなく「人としての信頼」に置いている。具体的な評価項目は、挨拶や身だしなみ、笑顔といった基本的な振る舞いから、責任感、積極性、協調性など内面的な姿勢に至るまでおよそ50項目。これらは川北社長自らが複数の基準を組み合わせ、実態に合わせて何度もバージョンアップを重ねてきたものだ。

また、同社では評価制度を適用するにあたり「360度評価」を採用。経営者である川北氏のみならず、評価には同僚たちの意見も反映される仕組みとなっている。川北社長は、「人として尊敬・信頼される人になれば、自然と良い仕事がついてくる。そういう人が評価されるべき」とし、ビジネスマンとして自立した人材の育成を目指す。

2023年には、理念に合わない人材の採用により離職率が40%を超えるという苦境も経験したが、これを機に採用基準をさらに厳格化。現在は、同社の文化に共鳴し「カワキタエクスプレスでトラックに乗りたい」「新しいことに挑戦したい」という前向きな動機を持つ未経験者のみを採用している。

24年問題の原因となっている改正改善基準告示の影響により、トラックドライバーが長時間・長距離運転することで収入を稼ぐモデルは限界を迎えている。しかし、適切な評価と十分な報酬を与えることができなければ、個々の事業のみならず運送・物流業界全体の持続可能性は保てない。旧来の労働量に依存するスタイルとは異なる、ドライバーの能力やスキル、素養を適正に評価し報いる制度の普及が望まれるなか、カワキタエクスプレスの取り組みは、次世代の報酬制度と評価のあり方に先鞭を付けた事例だと言える。(土屋悟)

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