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SBSHD、埼玉で物流施設開発計画を明らかに

2021年8月6日 (金)

今後の戦略について語る鎌田社長

ロジスティクスSBSホールディングス(HD)の鎌田正彦社長は6日の2021年12月期第2四半期連結決算会見で、埼玉県加須市に物流施設を開発する計画を明らかにした。5万3000平方メートルの開発用地を取得。施設内容や工期など具体的な計画は今後詰める。物流施設の進出が相次ぐ加須エリアで開発案件を計画することにより、高い物流需要を取り込む戦略だ。

また、鎌田社長は、ことし12月より順次、本社機能を東京都墨田区から東京都新宿区に移転することも明らかにした。M&Aによって増えたグループ各社の本社機能を集約する狙いだ。

SBSHDは、早期に物流施設の運営床面積を100万坪にまで拡大する計画を掲げる。同社グループの物流倉庫の床面積は、直近ではSBS東芝ロジスティクスの20万坪などを追加して、現在は74万9000坪にまで拡大。現在進行中の増床計画は19万1000坪に上り、既存の床面積との合計は94万坪となる。鎌田社長は「100万坪の達成後も110万坪、120万坪に伸びる」と述べ、今後も拡大への注力を継続する考えを示した。この日の会見で明らかにした、加須市における物流施設開発も、こうした取り組みの一環だ。

横浜金沢物流センター(出所:SBSホールディングス)

現在進行中の増床計画では、ことし10月に完成する「横浜金沢物流センター」を、グループでは初めての「最先端のITとLT(ロジスティクス・テクノロジー)を駆使した大規模3PL施設」としてアピール。「東洋一の規模になる」というオートストアの自動倉庫や、シャトルラック、ソーターなどを導入するとともに、AI(人工知能)とビッグデータを駆使して生産性の「飛躍的向上」を目指す考えを示した。同施設は大手EC事業者が使用する見通し。

2023年11月に完成する敷地面積7.3万平方メートルの「野田瀬戸物流センターA棟」に関しては、「グループ最大規模の施設となる予定で、テナントはほぼ決定している」と説明。同年3月には、初めて中部エリアで開発した3万平方メートルの「物流センター一宮」も完成するという。

M&A戦略の方向性については、同社が2004年以降、積極的なM&A戦略を継続していることについて述べた上で、当面は比較的売上規模の小さい運送会社をグループ化する「スモールM&A」にも注力する考えを改めて示した。