ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

コロナ後もECと物流業が需要けん引、CBRE

2021年9月3日 (金)

調査・データ事業用総合不動産サービスのシービーアールイー(CBRE)は2日、日本国内における物流テナントの特徴と変化に関するレポート「ビューポイント」を発表した。新型コロナウイルス感染拡大をはじめとする近年の動向を踏まえ、「ポストコロナの物流需要を、ECと物流業がけん引する」との見方を示した。

首都圏の大型マルチテナント型物流施設の契約テナントの業種は、2016年から18年にかけては、相対的に小売業・卸売業の割合が高く、コンビニエンスストアの店舗数拡大と呼応。しかし19年以降は、従来のテレビショッピングやカタログ通販などに加えて、EC事業者の契約面積が増大し、20年にはコロナ禍における巣ごもり消費を取り込み、物流需要を牽引した。

都市圏別LMT(大型マルチテナント型物流施設)契約テナント業種分類(2004-20年竣工)

2021年上半期のEC事業者の契約面積は、前年同期とほぼ同程度で「足元でもECの物流需要は旺盛」と説明。ただし、契約テナントの業種は全国的に、引き続き物流業が主流で、首都圏全体で57%、近畿圏で63%、中部圏で69%、福岡圏で90%と高い割合をを占めている。

特に地方都市ほど物流業の割合が高いことについては「販売量が多い地域では、荷主は直接投資して大型の配送センターを構えることが多い。一方で、自社の既存物流網が手薄な地域では、物流会社にアウトソースする傾向がある」と説明。物流網の構築に時間がかかることと関係があるとの見方を示し、そのうえで今後については「荷主企業は、地域によって直接投資と物流企業へのアウトソーシングとを組み合わせつつ、全国への拠点拡大と再編を図ることになるだろう」と述べた。