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AIによる生育予測システムで次世代農業人を育成

2021年9月13日 (月)

サービス・商品日立ソリューションズ東日本(仙台市青葉区)は10日、トップリバー(長野県御代田町)と共同で、農林水産省が公募する「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト」において、「データを活用した農業経営をモデル化し、データに基づき安定的に収益をあげることができる次世代農業人育成」の実証を行ったと発表した。AI(人工知能)を活用したレタスの生育予測システムについて、生産者であるトップリバーでの実証の結果を受け、2021年度より、トップリバーの農場で本格運用を開始した。

今回新たに開発した「AIを活用した生育予測システム」は、過去2年間の気象メッシュ情報と生育日数のデータを活用。気象の変化による生育日数の変化、生育に影響を与えるパラメータをディープラーニングで学習させることにより、時期ごとの生育日数を自動算出する。従来のシステムと比較して、専門的な知識を必要とせず、かつ短期間での導入を実現。実際の定植日と生育予測による収穫予定日がガントチャート形式で一覧表示が可能なため、生育予測による出荷量の見通しや、将来の過不足の情報を把握できる。

▲予測日と実績を表示するガントチャート(出所:日立ソリューションズ東日本)

実需者と直接契約を行い決まった日に決まった量を確実に出荷する契約出荷は、生育予測により出荷日を予測し、生産ロスを最小限に抑えながら約束した出荷量を確実に生産することが重要だ。生育予測の手法として、生産者の経験則に基づいた数値を登録する方式が採用されていた。しかし、長い経験が求められることや、年ごとの気象条件の変動に左右されやすい問題があった。葉齢の測定など植物生理に基づいた方式も導入が検討されているが、導入前後に専門家による一定期間をかけた調整が必要であるため、導入の難易度の高さも課題だった。