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物流施設プロジェクトの「あるべき姿」追求

最新の多機能型物流施設完成、GLP ALFALINK流山8

2021年9月16日 (木)

拠点・施設日本GLPは16日、物流施設「GLP ALFALINK(アルファリンク)流山8」(千葉県流山市)が完成したと発表した。大規模多機能型物流施設プロジェクト「GLP ALFALINK流山」で4棟目の施設となる。佐川急便や山九、GBテクノロジーなど十数社の入居が決まっている。

今回完成したGLPアルファリンク流山8は、プロジェクトの中でも最大級の規模を誇る。一連の流山プロジェクトの形成における大きな節目となる。

都心から25キロに位置し、常磐自動車道流山インターチェンジ(IC)に近く、首都圏各地をはじめ東北や甲信越など広域アクセスにも適した好立地が強み。配送拠点としてだけでなく、生産加工や保管、流通加工を含めたサプライチェーンを網羅できる機能を整えた。

GLPアルファリンク流山プロジェクトの統一コンセプトである「オープンハブ」(物流をもっとオープンに)、「インテグレイティッドチェーン」(サプライチェーンをつなぐ)、「シェアードソリューション」(ビジネスの進化をサポート)の3つのキーワードを踏襲し、物流サービスや就労環境を提供する仕様としたのが特徴だ。

日本GLPの帖佐義之社長(右から2人目)

施設の就労者だけでなく地域住民にも解放した施設運営がオープンハブのコンセプトだ。交流広場「ALCO Park」(アルコパーク)を整備するなど、「地域に開かれた物流施設を目指す」(日本GLPの帖佐義之社長)という。施設内にはベーカリーカフェやレストラン、カフェテリアを開放するほか、全周を回るランニングコースを設けるなど、従業員や地域住民の快適さを担保できる「まちづくり」を強く意識している。

機能面では、インテグレーティッドチェーンのコンセプトのもと、サプライチェーンを統合することができる構造とした。ターミナル機能を設けて複数企業のオペレーション連携を促進し、効率化を図るほか、工場用途としての活用などを含めて多機能な倉庫スペースを提供することにより、入居企業のサプライチェーン統合を支援する。

人材や輸配送、自動倉庫化などのソリューションを提供するシェアードソリューションも重要なキーワードだ。GLPアルファリンク流山の全体で3社の人材派遣会社のサービスを活用できるほか、2拠点目となる託児所の開設も検討している。

帖佐社長は「今回のGLPアルファリンク流山8の完成を契機として、大規模多機能施設ならではの革新的な物流ソリューションと新たな価値をさらに提供していく」と意義を強調。「物流施設の概念を超えて地域や人、企業とともに成長できる施設としてまちづくりに貢献していく」と決意を述べた。

GLPアルファリンク流山は、全体で8棟、敷地面積42万平方メートル、延床面積92万平方メートルのプロジェクト。2018年2月に最初の施設が完成、23年6月末に全棟が出そろう。

「GLP ALFALINK流山8」の概要
所在地:千葉県流山市平方
敷地面積:6万9598.54平方メートル
延床面積:15万5093.14平方メートル
構造:免震・PC造(一部鉄骨造)、地上4階建て
着工:2020年2月

物流施設の「あるべき姿」を追い求めた日本GLP

「決して物流はバックヤードでいる必要はない」。日本GLPの帖佐義之社長は、GLP ALFALINK流山8の完成記者会見で力を込めた。「解放性」という言葉を繰り返しながら、従業員だけでなく地域住民に開かれた新しい物流施設を完成させた意義を強調した。この流山プロジェクトで、日本GLPの目指す物流施設の「あるべき姿」の完成形を目指す強烈な意思表示と受け止めた。

背景には、物流が担う社会インフラの重要性を、ロジスティクスビジネスの事業者だけでなく、広く社会に認知してほしいという願いがある。物流業に携わる従業員への強い尊敬の念を創出できるような社会づくりが、帖佐社長をはじめとする日本GLPが取り組む究極の社会貢献なのだろう。その結晶が、流山プロジェクトなのだ。

「競合は全く意識しない。なぜなら、自分たちが取り組んできた物流施設プロジェクト運営の方向性は、決して間違ってなかったと考えているからだ」。物流ビジネスの社会における「使命」と「評価」を一致させることで、従業員のプライドを守り、地域から愛される存在になること。さらに物流業界の活力向上に貢献していくことが、プロジェクトを進める意義だということを、日本GLPの活動は示している。(編集部・清水直樹)