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生産・物流一体型、資生堂の西日本基幹拠点本稼働

2021年9月17日 (金)

拠点・施設資生堂は17日、大阪府茨木市の彩都エリアに国内外向けプレステージスキンケア製品の生産を担う大阪茨木工場(大阪府茨木市)と、西日本エリアの基幹物流基地となる西日本物流センター(WDC)の2拠点を中心に、コンシューマーセンターと一般向け見学コースを加えた4機能で構成する新コンセプトサプライチェーン拠点として本格稼働を開始すると発表した。

635億円を投じたという新拠点は土地面積7万2435平方メートル、地上7階建て、鉄骨造で、工場機能を大阪茨木工場、物流機能を西日本物流センターと名付けて一体運用する。工場としては国内外向けプレステージスキンケア製品を年間1億6000万個(2023年以降)生産する能力を持たせ、物流拠点としては西日本エリアの配送をカバー。保管能力はパレット換算で3万3000パレットに達する。

同社が生産を担う工場に物流センターを併設したのは初めて。生産から輸送にかかる作業効率を上げ、輸送時にかかるコストや環境負荷を減らすとともに、「地域に開かれた工場」として一般の顧客向けの見学コースと、顧客の声をものづくりに生かすためのコンシューマーセンターの分室を新設した。工場と物流センターを隣接させることで、製品輸送時のCO2削減効果を年間60トン以上と見込む。

西日本物流センターは同社が自社で運営する統合型の物流センターで、大阪茨木工場のほかに同社国内工場で生産された商品を入庫、保管し、全国7か所ある出荷センターへ在庫を供給する物流センターとしての機能と、関西エリアを中心とした近隣のリテーラーに商品を届ける商品センターとして出荷機能を担う。

(出所:資生堂)

国内最大規模の商品保管自動倉庫を導入し、隣接する大阪茨木工場で生産された商品の入庫を自動化することで、作業の効率化を図った。工場、物流センター、商品センターの機能を集約することにより、効率的なサプライチェーンを構築し、市場への商品供給リードタイムの短縮と輸送コストの削減につなげる。

また、独自機能を追加した「次世代型マルチシャトル」に製函・封函の自動化も加え、商品のピッキングから梱包と荷札のラベリングまで同時に行う歩行レスの出荷システム「GP3」(Goods to Person for Pick&Pack)を採用した。このシステムは物流センターの4階と3階の2階層にわたって稼働し、高い出荷能力を備えるもので「効率化を最大限に追求した世界初の出荷システム」(資生堂)となる。荷積み(パレタイジング)や荷下ろし(デパレタイズ)も自動化した。