トラッキング世界市場、27年まで年19％拡大と予測

調査・データレポート・オーシャンは27日、世界のトラッキング＆トレースソリューション市場は、2021年から27年までに年18.5%以上のペースで成長するとの予測を明らかにした。
市場規模は20年に26億米ドル（2880億円）で、その後も年々拡大を続けるとしている。

トラッキング＆トレースソリューションの需要は、ヘルスケア分野で大きな成長を遂げている。トラッキング＆トレースソリューションは、広範囲の製品の物流・流通に関わるもので、対象物の現在および過去の位置を特定できる。製品の配送を追跡するために利用される主な技術は、バーコードとRFID（電波を用いて非接触でデータ読み書きする技術）だ。

こうした技術の開発力を持つ追跡システムのメーカーは、ハードウェア、ソフトウェア、コンサルティングシステムを開発。これらの製品は、様々な業界に対応した製品追跡のための広範なソリューションを提供している。製品リコールや偽造医薬品の増加、シリアル化を実施するための厳格な規制や基準、世界的な医療機器の生産量の増加などが、予測期間における市場の高い成長をもたらす要因となっている。

北米は、偽造医薬品が増加していることに加えて、シリアライゼーションやアグリゲーションに関する厳格な政策が存在することから、市場シェアの点で世界の主要な地域であり続けると分析。アジア太平洋地域は、中国やインドなどの国で医薬品の信頼性や品質を向上させるための規制や規範が実施されていることから、20年代に高い成長率を示すと予想する。