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オープンロジ、在庫「賞味期限」「温度」管理機能提供

2021年11月10日 (水)

ECオープンロジ(東京都豊島区)は10日、商品在庫の「賞味期限管理機能」と倉庫の「温度帯管理機能」の提供を始めたと発表した。賞味期限管理と温度帯(常温・定温・冷蔵・冷凍)の指定・管理をユーザーポータルの管理画面上で一元管理できるようにした。消費スタイルの多様化や物流ニーズの高水準化に対応するため、商品の保管・輸送品質を高めて差別化を図る狙い。

オープンロジは、冷凍冷蔵倉庫や、高度管理医療機器販売許可証や化粧品製造業許可を取得している倉庫と提携することでネットワークを拡大し、提供するEC(電子商取引)物流サービスの幅を広げてきた。取り扱い可能な商品カテゴリを増やすなかで「商品の賞味期限管理と温度帯指定をシステム上で一元管理したい」とのニーズが高まっていることが分かった。

こうした動きを受けて、オープンロジは、ユーザーポータルへの新規機能として「賞味期限管理機能」と「温度帯管理機能」を開発。WMS(倉庫管理システム)や倉庫での作業フローと連携させることにより、賞味期限管理と温度帯の指定・管理をオープンロジの管理画面上で一元管理できるようにした。

(出所:オープンロジ)

賞味期限か製造年月日をシステム上で選んで管理することが可能なほか、保管・発送時の温度帯(常温・定温・冷蔵・冷凍)の管理方法をシステム上で選ぶことができる。商品の引き当て期間を設定できることで、期限が過ぎた商品を自動的に廃棄する指示を選択できるほか、3温度帯(常温・冷蔵・冷凍)の管理が必要な商品を複数扱う場合もシステムで一元的に管理できる仕様とした。

今後もオープンロジは提携倉庫を拡大して提供する物流サービスの幅を広げるとともにユーザーポータルの新規機能を開発することで、追加することでEC事業者の業務効率化を後押しする物流DX(デジタルトランスフォーメーション)化を推進していく。

物流サービスの差別化競争はより高い次元へ

サプライチェーンにおける物流サービスの差別化と言えば、迅速で定時に商品を傷めずに届けること。それが定番だった時代はもはや過去のことなのだろう。こうした基本的な輸送品質の確保は当然のことであり、さらなる付加価値が求められるようになったのだ。オープンロジが提供する商品在庫の「賞味期限管理」「温度帯管理」サービスは、こうした物流業界における世相を象徴する取り組みと言えるだろう。

(イメージ)

とりわけ、ここ数年で注目を集めている物流サービスが、温度管理だ。ことし10月の「国際物流総合展2021 第2回 INNOVATION EXPO」でも、センサーを使ったリアルテイムで温度を管理できるシステムが話題を集めた。消費スタイルの多様化や新型コロナウイルス感染拡大に伴う宅配ニーズの高まりや、ワクチン接種など医療にかかる輸送需要の増大が、こうした物流における温度管理サービスへの期待を一気に高めた。

社会に不可欠なインフラとしての認知が定着してきた感もある物流サービス。物流を途絶させないのはもちろんのこと、いかに輸送品質を高めるかが、物流を担うプレーヤーに求められる条件になっている。以前とは比べ物にならないほど高い水準が要求されるなかで、いかに差別化を図りながら生き残っていくか。物流をめぐるサービス競争は今後、さらに激しさを増していくとみてよいだろう。(編集部・清水直樹)