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出光、豪でグリーン水素・アンモニア輸出実現検討

2021年11月15日 (月)

国際出光興産は12日、グループの出光オーストラリアの子会社Idemitsu Renewable Development Australia(イデミツ・リニューアブル・デベロップメント・オーストラリア、IRDA)が、豪ニューキャッスル港でのグリーン水素・アンモニアに関するプロジェクトにおいて、ニューキャッスル港社とマッコーリーグループと、輸出や船舶向け燃料供給の実行可能性における共同検討・調査の実施について両社と覚書を締結したと発表した。

ニューキャッスル港社とマッコーリーグループによるコンソーシアム「H2Newcastle」が主催するプロジェクトは、ニューキャッスル港におけるグリーン電力の利用をはじめ、外部からの水調達によるグリーン水素・アンモニアの製造・貯蔵・輸送・販売・輸出について、2024年から段階的に事業化する計画だ。構想には日本への輸出も含まれており、IRDAは短期の事業計画である事業化調査・検討の一部に参加する。

40メガワットの電解装置建設により年間でグリーン水素3500トン、グリーンアンモニア2万トンの生産を目標とする。オーストラリア政府より150万豪ドルの支援を受ける予定だ。

▲豪州における出光グループの鉱山位置と、低炭素・脱炭素事業に向けた取り組み(出所:出光興産)

豪政府は、脱炭素化に向けたエネルギー転換を推進している。国土が広く、風況・日照などの気候条件が再生可能エネルギーの創出に適しているため、他地域と比較して安価かつ安定的な再生可能エネルギー製造の可能性に富むことで注目されている。

出光興産グループはこれまで豪州において、石炭鉱山の操業を通じ、州政府や現地事業者との良好な関係を構築するとともに、物流などサプライチェーンに関する知見を蓄積してきた。40年にわたり培ってきたこれらの事業基盤を活用しながら、今後も豪州のエネルギー転換に積極的に対応していくとともに、低炭素・脱炭素事業の創出に取り組む。今回の共同検討・調査を通して、出光興産が目指す将来のCO2フリーアンモニアサプライチェーン構築や低炭素エネルギーの供給に向けた知見を蓄積していく。