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楽天西友ネットスーパーの専用物流センター新設へ

2021年12月21日 (火)

EC楽天グループと西友(東京都北区)は21日、「楽天西友ネットスーパー」において、ラサール不動産投資顧問とNIPPO(ニッポ)が共同で開発する千葉県松戸市の大型物流施設の全フロアを賃借し、BTS型(テナントの要望に応じてオーダーメイドで建設され賃貸される方式)の専用物流センターを新設すると発表した。2023年上半期に稼働させる予定だ。

(出所:楽天)

新型コロナウイルス感染拡大に伴う「新しい生活様式」のもとでEC(電子商取引)が生活基盤として定着し、ネットスーパーに対する需要は急速に拡大している。楽天西友ネットスーパーについても、ことし1月から3月の売り上げは前年同期比29.9%増、4月から6月の売り上げは前年同期比28.4%増と、拡大のペースは衰えていない。

楽天グループと西友がこのたび新設する物流センターは、延床面積7万1000平方メートルと楽天西友ネットスーパーの物流センターで最大規模。常温・冷蔵・冷凍の3温度帯で最大4万~5万アイテムを保管できるのが特徴だ。搬送など自動化設備を導入し、倉庫内作業を効率化する。これにより、楽天西友ネットスーパーの当日配送枠を拡充し、首都圏における供給能力の強化を図るとともに、サービスの利便性向上につなげる。

立地面では、東京外環自動車道を経由して、首都圏中心部への配送、および高速道路網を利用した首都圏広域への配送に優れる。近隣は住宅地が広がり鉄道駅も徒歩圏内にあることから、従業員確保の観点でも優位性が高い。

楽天と西友は今後も、強固なサービス供給体制の構築を推進するとともに、高まるネットスーパーサービスへのニーズに応えていく。

楽天西友ネットスーパー新施設の概要
所在地:千葉県松戸市稔台5-1-1
完成:2022年1月
延床面積:7万1000平方メートル
貸借面積:6万7000平方メートル
構造:地上4階建て
交通:東京外環自動車道「松戸インターチェンジ」4キロ、新京成電鉄新京成線「みのり台駅」徒歩15分

ネットスーパーの新たな「差別化」ポイントを提示した楽天・西友陣営

楽天グループと西友が、両社で共同運営するネットスーパーの保管機能を高めることで、顧客サービス拡充を図る意思を鮮明にした。

ECサービスの普及や新型コロナウイルス感染拡大による宅配ニーズの高まりで、ネットスーパー市場は着実に拡大を続けている。一方で、楽天グループのようなECビジネス企業に加えて、既存のスーパーマーケット企業も参入が続き、競争が激しくなっている。もはや、宅配サービスのなかでいかに付加価値を提供できるかが訴求ポイントになっている。

そんな環境下で、楽天・西友陣営は、商品の保管能力や精度を高めることで、「輸送品質」という新たな差別化領域を提示しようとしている。商品の配達スピードや商品ラインアップ、さらには提供できる商品の「質」の確保まで。宅配ビジネスにおける顧客ニーズは深みを増している。サービス提供企業がそれに追随する姿は、永遠に最終解が見つからない難問に挑んでいるようにさえ映る。(編集部・清水直樹)