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「宅配の日常化」目指しセイノーと出前館が提携

2021年12月24日 (金)

フードセイノーホールディングスは23日、フードデリバリーサービスを全国展開する出前館と業務提携契約を交わした。両社が持つ宅配網を組み合わせて「デリバリーの日常化」を加速させる。

セイノーHDでは、社内外や業種の違いなどを問わず連携した、誰もが使える物流プラットフォーム構想として「オープン・パブリック・プラットフォーム」(O.P.P.)の実現に取り組んでおり、特にラストワンマイル領域で買い物弱者対策などの社会課題の解決に注力。一方、出前館は6月に全国47都道府県でシェアリングデリバリーのサービス展開を完了し、次のフェーズでは地域のすみずみにまで目を向け「デリバリーの日常化」を目指している。

両社の提携は、セイノーの「ラストワンマイルO.P.P.」と出前館の加盟店向けプラットフォーム、全国のデリバリーネットワークを組み合わせてデリバリーの日常化を加速できるとの狙いで実現した。

まずはリテール領域で「高品質で確実に全国に配達可能なセイノーグループのラストワンマイル網」「出前館の加盟店向けプラットフォーム」「出前館の集客・媒体力」を生かし、出店から集客・販促、ラストワンマイル配送までを一元的に提供する小売店向けのパッケージを構築する。これにより、ネットスーパーやネットコンビニの日用品・食料品デリバリーを「誰もが日常的に使える」ようにし、買い物弱者対策を進める。

▲ドローンを利用した配送の様子(出所:セイノーホールディングス)

セイノーHD傘下のGENie(東京都中央区)が持つクイックデリバリー網と出前館の加盟店ネットワークを組み合わせて地方都市、降雪地域へと配達エリア拡大を進めエリアカバー率を高める。また、セイノーHDが進める共同配送、ドローン物流を取り入れた新スマート物流「SkyHub」(スカイハブ)と連携し、過疎地・中山間地などで「物流の限界を突破」(セイノーホールディングス)する。

このほか時間帯指定配達、クイックデリバリー、LOCCO(ロッコ、セイノーグループ)の提供するサービス「OCCO」(オッコ)の置き配を組み合わせ、配達網の時間帯による繁閑差を平準化。アイドルタイムをなくすことで配達員が一日を通して安定した収入を得られるような働き方を目指す。

リビングプロシード(セイノーグループ)が持つ全国1万人のギグワーカー網によるリアルマーケティングと、出前館が持つデジタルマーケティングの知見を掛け合わせ、販促と物流ソリューションを共同で提供する取り組みも行う。