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三菱食品、CLO主導でトラック3100台を可視化

2026年3月3日 (火)

行政・団体経済産業省のCLO事例集で三菱食品は、「トップダウンによる可視化・最適化の推進」を掲げるモデルとして整理されている。1925年設立の総合食品商社で、加工食品、低温食品、酒類、菓子など幅広い商材を扱う。仕入れ先は6500社、取引先は3000社。全国に387か所の物流拠点を持ち、1日7600台のトラックで配送する。

同社はCLO(物流統括管理者)制度が明確化される以前の2018年頃から、実態として物流統括機能を整備してきた。19年4月にはロジスティクスと受発注を同一管轄に置く「SCM統括」を新設し、分散していた物流を一元管理する体制へ移行。25年1月にCLO設置を対外公表した。CLOは取締役常務執行役員でSCM統括を兼ねる田村幸士氏が務め、「コスト」「品質(安全)」「持続可能性」を同時に成立させることをミッションに据える。

25年4月の組織改編では、組織を「営業」「コーポレート」「SCM」の3領域に再編し、SCM統括の下に「SCMサポート本部」と「ロジスティクス本部」を配置した。同年4月1日付で物流事業をベスト・ロジスティクス・パートナーズ(BLP)へ分割し、倉庫運営や配送手配などの現場運営機能を移管。三菱食品側のロジスティクス本部はBLP統括や物流の新規事業企画を担い、SCMサポート本部が受発注管理を担う役割分担とした。

取り組みの中心は「第三者が見ても分かる数字」を集める可視化だ。22年度からHacobu(ハコブ、東京都港区)の動態管理システム「MOVO Fleet」(ムーボ・フリート)を全社導入し、3100台の運行状況をデータ化した。倉庫内ではKURANDO(クランド、品川区)の可視化ツール「Logimeter」(ロジメーター)を20年度から導入し、5年で100拠点弱へ展開。さらにHacobuと最適配車ツール「MOVO X-Data」を共同開発(23年度)し、拠点間の共同配送(エリア配車)を進める。物流リソースの外部連携では、輸配送リソースのシェアリングサービス「trucXing」を23年度に開始し、将来的な複数社協働も視野に入れる。

可視化に対して現場や協力会社から「負担増」「収入にならない」といった反発もあったが、同社は可視化を「発荷主・着荷主・運送事業者が対話するための土台」と位置付け、必要に応じて経営判断として徹底した。実務面では、小売の協力を得て店舗納品時の滞在時間を調査し、納品と書類回収の不一致を是正。回収日の集約など運用変更で滞在時間の短縮につなげたという。

今後は輸出入領域や連結子会社を含む物流管理の拡張、他荷主との協業による「オープンなサプライチェーン」化、冷蔵倉庫のフロン漏えい防止など環境対応、物流現場で働く人材も含めた労務面の把握を重点課題に挙げる。可視化を起点に、最適化と協業へ踏み込む構図を描いている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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