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日清食品、Well-beingを軸にSCM改革

2026年3月3日 (火)

行政・団体経済産業省のCLO事例集では、日清食品の取り組みを「Well-beingを実現するサプライチェーンマネジメント」と位置付ける。即席麺を主力とする同社は国内に6つの主力工場を持ち、21拠点の営業倉庫を介して全国へ配送する。工場から営業倉庫への幹線は100%パレット輸送とし、10トン車やトレーラー、フェリー、鉄道など輸送モードを組み合わせている。

同社は2015年頃から構造改革に着手し、当初掲げた「生産性200%向上」を起点に、調達・生産・営業・物流を横断管理する事業統括本部を19年に開設。22年にはWell-being推進部を設け、改革のゴールを企業価値と社会的価値の向上に置き直した。長期視点と部門横断の権限が不可欠として、25年6月にCLO(物流統括管理者)を設置した。

CLOは常務取締役で事業統括本部長とWell-being推進部長を兼ねる深井雅裕氏が務める。物流経験の有無よりも、調達から販売までを俯瞰し、組織を横ぐしで動かす視座を重視した。CLOを単独の役職に閉じず「チームCLO」として変革を進める考え方も示している。

施策はまず可視化から始めた。調達物流ではティア1からティア5までの供給網を可視化し、輸送効率のばらつきや製品物流の積載率低下要因を抽出。社内ではS&OP(販売・操業計画)システムを導入し、ダッシュボードで一元管理することで、各部署の判断がサプライチェーン全体へ与える影響を数値で共有できる「共通言語」を整えた。

社外連携も進める。サッポログループ物流との共同輸送では、軽量貨物と重量貨物を組み合わせて車両台数を20%削減。JA全農とのラウンド輸送では調達物流と製品物流を掛け合わせ、積載率を9%向上させた。CLOの「外交」を通じて、競合や取引先をパートナーとして位置付け直し、共同輸送の実装につなげた点が特徴だ。KPIはサプライチェーンの到達点をWell-beingと捉え、企業価値に直結する指標として「株価」を掲げる。

今後はフィジカルインターネットの実現、物流DX(デジタルトランスフォーメーション)と標準化の拡張、業界横断の連携強化を重点に据える。可視化を起点に、社内改革と社外連携を同時に進めるCLO像を提示した事例といえる。

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LOGISTICS TODAY編集部
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