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丸紅、豪州などでグリーン水素実証事業を開始

2022年1月14日 (金)

環境・CSR丸紅は12日、オーストラリアで安価な再生可能エネルギー水素(グリーン水素)を製造し、インドネシアへ輸送する水素利活用に関する実証事業を始めると発表した。

環境省が公募した「2021年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(二国間クレジット制度資金支援事業)水素製造・利活用第三国連携事業」として採択された実証事業。同社は将来的に水素事業に関するバリューチェーンを構築するとともに、二国間クレジット制度を通じた日本の温室効果ガス排出削減目標の達成への貢献を目指す。

▲実証事業の概要(出所:丸紅)

再エネ電力の導入が進むオーストラリアだが、一部地域で再エネ電力の余剰が発生しており、受電する系統調整への対策が求められている。こうした状況を踏まえ、同事業では南オーストラリアで余った再エネ電力に着目し、天候・電力市場価格などを元にした「エナジーマネジメントシステム」(EMS)を通じて水電解装置とバッテリーを最適に稼働させることで、安価で安定的なグリーン水素を製造したり系統調整機能を確立したりして、課題解決の道を探る。

さらに、オーストラリアで作られたグリーン水素について、加圧や減圧により水素を放出する水素吸蔵合金を活用してインドネシアまで輸送する。ジャカルタ近郊工業団地内で、燃料電池を通じた熱電供給を行い、同国の環境保全活動にも寄与する。インドネシアは二国間クレジット制度のパートナー国で、政府が国家中期開発計画の重点施策として環境対策や脱炭素化を掲げている。