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商船三井、英の波力発電装置メーカーに資本参加

2022年1月24日 (月)

財務・人事商船三井は21日、波力発電装置開発メーカーのBombora Wave Power(ボンボラウェイブパワー、英国ウェールズ)に出資したと発表した。商船三井は2020年にボンボラウェイブパワーとの協業を開始。このたび資本参加に踏み切ることで、ボンボラウェイブパワーの運営への関与を含めた関係強化を図る。

商船三井は、これまで検討を進めてきた日本とその周辺地域に加えて、欧州における膜型波力エネルギー変換装置「mWave」(エムウェイブ)を用いた波力発電の事業化をさらに推進する。

ボンボラウェイブパワーは、波力発電装置や洋上風力発電装置を波力発電装置と一体化させた構想「InSPIRE」(インスパイヤ)の技術開発を推進する。ボンボラウェイブパワーが開発したmWaveは、波力エネルギーを利用した環境に優しくコスト競争力のあるエネルギーを世界中に供給するシステム。商船三井の出資で得た資金を、今後数か月以内に英国ウェールズ沖での1.5メガワット級のmWaveを用いた発電実証実験をはじめ、mWave技術のさらなる開発や運用能力の向上に向けた取り組みに充てる。

商船三井はボンボラウェイブパワーへの出資を通じて、ターゲットとなる地域におけるサプライチェーンの構築やこれまで海洋事業で培ったノウハウを活用することで、グローバルな事業開発をさらに加速する。同時に、InSPIREの技術開発と事業化も進め、再生可能エネルギーの統合ソリューションの構築を目指す。両社は日本における波力発電事業の開発を目指し、mWaveとInSPIREに適したサイトの選定に向けた適地調査を開始する予定だ。

▲波力発電装置「mWave」と洋上風力発電装置の一体型構想「InSPIRE」のイメージ(出所:商船三井)

商船三井は2021年6月、「商船三井グループ環境ビジョン2.1」を発表。50年までのネットゼロ・エミッション実現を目標に掲げる。今回の事業を含めた再生可能エネルギー事業の推進により、自社のみならず社会からのGHG(温室効果ガス)排出削減にも貢献していく。