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はぴロジ、多様なシステム連携で物流DX化推進へ

2022年2月7日 (月)

サービス・商品はぴロジ(大阪市西区)は7日、多様なシステムと連携して物流業務の指示や制御ができるサービス「logiec」(ロジーク)の提供を開始したと発表した。

消費スタイルの多様化が加速するなかで、これまで提供してきた自動出荷サービス「ASIMS」(アシムス)をさらに進化させ、輸送ニーズの多様化を踏まえて、物流・流通にかかる多様なシステムとの連携機能を強化した。

(イメージ)

複数のシステムの制御を可能とする「コントロールハブ」の役割を担うほか、クイックコマースやダークストアなど新たな流通サービスとも連携することで、EC(電子商取引)事業者の流通革新や物流事業者のサービス強化をシステム面から支援することにより、流通・物流のDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現する。

ロジークを導入することで、EC事業者は受注データのアップロード・ダウンロードなどの定型作業を自動化できる一方で、豊富なシステム連携の選択肢を用意し、新たに出店したい上位カートとの接続が容易になる。販促品の同梱セット指示など手間のかかるショップデータも一括でデータ変換・加工できるほか、複数倉庫への出荷指示データを自動で振り分けられるので業務工数を削減できるのも特徴だ。

(出所:はぴロジ)

さらに、イベントやキャンペーンなどの急な物量波動も複数の倉庫を組み合わせて制御できるほか、物流パートナーが使用するWMS(倉庫管理システム)とも接続できる。ロジークと連携した全国130拠点以上の物流拠点ネットワークから、最適な物流パートナーが選択できる。クイックコマースとの接続でEC販売した商品を実店舗から即日配送が可能になり、店舗在庫の有効活用と顧客体験の向上を図ることも可能だ。

物流事業者にとっては、WMSの指定フォーマットにデータ変換ができ、新規案件導入の標準化ができるほか、大量出荷で自らの倉庫キャパシティを超過した場合、提携倉庫へのデータ連携が容易になるメリットがある。荷主ごとに異なるWMSを使用していても入出荷実績の把握や在庫管理を一元管理するとともに、新規のWMSを導入する際にも開発コストを極小化できる。

はぴロジは今回のロジーク提供開始を契機として、物流・流通サービスの最適化につながるプラットフォームの開発をさらに加速し、現場業務のDX化を支援していく。

多様なシステム連携が物流DX化による現場業務の効率化を加速度的に高める

「物流DX化」というフレーズを耳にして、まずイメージするのは何だろうか。AMR(自律走行搬送ロボット)のような先進的ロボットか、あるいは各種センサーで情報を判読するシステムか。しかし、こうした個別の機器・システムが現場の課題解決に向けて機能を発揮するには、統括するプラットフォームの存在が不可欠だ。

今回のはぴロジの取り組みは、物流DX化が他の有効なサービス・システムと連携することで実現できるという事実を明確に物語っていると言えるだろう。

(イメージ)

新型コロナウイルス感染拡大を契機とした「新しい生活様式」の時代を迎えて、物流ニーズは以前にも増して高度化・複雑化している。宅配サービスにしても、注文した商品の輸送にとどまらず、その運び方や商品の選択肢、さらには付加価値サービスへの期待など、これまでになかった「品質」の要求が高まってきている。

物流現場がそれに対応するためには、これまで持ち合わせていなかったノウハウやネットワーク、スキルを体得するしかない。自前で短時間で育成するのは困難であるならば、外部のリソースをいかに効率よく獲得するか。そこでさまざまなシステム連携が必要となってくるのだ。

外部との連携によって、いわば時間やノウハウ、場合によってはコストさえも節約できる可能性がある。物流業界も、さまざまなシステム連携があたり前になれば、現場業務の円滑化・最適化は加速度的に高まるであろう。早く、「部分最適」主義から脱却しなければならない。人材の流動性の向上を含めた、多様な領域のリソースが切磋琢磨するDX化を期待したい。(編集部・清水直樹)