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清水建設が建設資材搬送ロボ開発、物流にも訴求

2022年3月8日 (火)

▲Robo-Carrier Fork(出所:清水建設)

サービス・商品清水建設は、建設現場における資材搬送作業の省人化・省力化を目的に、フォークリフト型の自動搬送ロボット「Robo-Carrier Fork」(ロボキャリアフォーク)を開発した。物流事業者へのレンタルサービスや販売も視野に、実用化を目指す。

業務従事者の高齢化が進むなか、現場作業の省人化が建設や物流業界の課題となっている。清水建設はこうした課題の解決に向けた取り組みとして、建築工事現場のデジタル化コンセプト「Shimz Smart Site」に基づく人間と自律型ロボットの協働施工を推進。パレット積みの資材を水平搬送する自動搬送ロボットと垂直搬送エレベーターを組み合わせた自動搬送システムを既に実用化している。

清水建設は資材搬送のさらなる省人化を図るため、搬入トラックからの荷降ろしなどに対応できるフォークリフト型ロボット開発も着手。ロボキャリアフォークを自動搬送システムのラインナップに加えることで、荷降ろしから間配りまでロボットによる一貫作業が可能になる。

ロボキャリアフォークは、SLAM(自己位置推定技術)を活用して自己位置を認識し、指定された場所まで自律的に移動するAGF(無人フォークリフト)だ。自動で資材の探索やパレット穴の検出を進め、荷取り作業を実行。ヤードに資材が段積みされている場合には、資材の配置状況を探索した後、上段のパレットに狙いを定めてフォークを穴位置に差し込むこともできる。

荷降ろし時にはヤードの状況を探索したうえで、搬送済みの資材があればその上に段積み、資材がなければ地面に平置きするなど、作業場所の環境に即した柔軟な対応が可能な仕様とした。

(出所:清水建設)

ロボットへの搬送指示はタブレット端末のアプリ画面で行い、搬送したい資材と搬送場所を図面上で選択。荷積み場所への移動から、資材の探索・荷取り、搬送場所への移動・荷降ろしまでの一連の作業をロボットが自律的に遂行する。

このフォークリフト型ロボットを自動搬送ロボット、垂直搬送エレベーターとクラウドで連携させることにより、搬送プロセス全体を自動化して資材搬送作業のさらなる省人化・省力化を図る。

ロボキャリアフォークは、建設現場のみならず、物流施設内での荷役作業の効率化も想定。清水建設は建設現場への展開と併せて、物流事業者へのレンタルや外販にも取り組むことにより、実用化の領域を広げていく。