国内D&Dホールディングス(HD、東京都中央区)は2日、新会社ラストワンマイル・パートナーズ(東京都中央区)を1日付で設立したと発表した。ラストワンマイル・パートナーズは、D&DホールディングスグループのD&Dマネージメント(東京都中央区)の軽貨物車両の販売・リース、輸送などの軽貨物関連事業を継承する。
EC(電子商取引)市場の拡大や新型コロナウイルス禍によるライフスタイルの多様化により、輸配送の最終区間を担うラストワンマイル物流における重要性が高まっている。D&DHDがラストワンマイル・パートナーズを設立した背景には、こうしたラストワンマイル物流への参入を強めることによりビジネス機会の獲得による、グループの事業基盤の強化と持続的な成長を促す狙いがある。
ラストワンマイル・パートナーズは、軽貨物車両のリース販売と軽貨物輸送を事業の両軸とし、安価な車両提供や車種、モデル、リース期間など要望に応じたサービスを提供するとともに、軽貨物輸送事業における積極的な配送品質の改善活動や契約ドライバーの働き方に応じた業務を提供する。
さらに、自動車メーカーとのアライアンスによるEV(電気自動車)の軽貨物輸送における実証実験を行うなど、脱炭素社会の実現に向けた取り組みにも参画。軽貨物事業の観点から、ラストワンマイル物流という社会インフラの機能を高度化する取り組みをさらに推進していく。
■ラストワンマイル・パートナーズの概要
所在地:東京都中央区日本橋富沢町9-19住友生命日本橋富沢町ビル7階
代表者:代表取締役 菊池 正寛
資本金:2000万円
従業員数:50人(ドライバー含む)
ラストワンマイル関連ビジネス、「新しい生活様式」でさらに拡大の公算大
コロナ禍による宅配ニーズの高まりで、ECサービスは国民にすっかり定着した。その結果、宅配機会の急増とともに注目を集めることになったのが、ラストワンマイルだ。
文字通り、配送先に荷物を届ける最後のランナーであるラストワンマイルは、軽自動車やバイクなど小型車両による短距離・高頻度の輸送スタイルが特徴だ。小型EV配送の実証実験の対象となることも多く、次世代モビリティーの本格導入のメインストリートとしても脚光を浴びている領域だと言えるだろう。
そんなラストワンマイル事業に、D&DHDグループが本格的な参入を図るのも、こうした市場で主導権を掌握するとともに、自動車関連の各種サービスを手がけるグループ事業との連携を含めたポートフォリオの拡大を図る思惑がある。
今後の成長を計算できるラストワンマイル関連ビジネス市場への注力を高めることにより、車両提供やリースなど車両まわりの業務を一括して担う体制を構築できれば、宅配サービス事業者や物流事業者などとの連携を模索することも可能となり、この領域におけるビジネスモデルを確立できるからだ。
コロナ禍収束後の「新しい生活様式」時代の本格的な到来を見据えて、ラストワンマイルを取り巻く動きが慌ただしくなってきた。D&DHDと同様の動きを見せる企業が続々と登場する可能性も高い。ラストワンマイル市場の活性化につながると期待したい。(編集部・清水直樹)