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ラクスルとワタミ、チラシ効果創出へ商圏傾向発見

2022年4月18日 (月)

(出所:ラクスル)

調査・データラクスルとワタミは18日、チラシのポスティングに関するOMO(オンラインとオフラインの統合)マーケティングの実証実験で、エリアによる商圏の傾向を発見したと発表した。

店舗運営を行う企業では、店舗の販促宣伝活動を支援し売上の拡大に貢献したいものの、オフライン販促による成功パターンがないため運営側から店舗へ情報提供ができていない状態にあるのが実情だ。特に全国でチェーン展開している業態はフランチャイズ店も多く、本来であれば直営店同様にフランチャイズ店の販促宣伝活動に力を入れたいにもかかわらず、店舗負担を強いる可能性も高いことから、提案すらできていない状況にある。

例えばチラシポスティングでは、ウェブ広告などと比較した場合に効果が見えづらく、どのエリアにどのように予算投下をすることで売上に寄与するかが不明瞭なのが課題だ。

このような課題を解決するため、ポスティングの効果を可視化しエリアによる商圏の傾向をつかむ手段として、オフライン販促物の成果をオンラインで可視化するOMOマーケティングの実証実験をラクスルとワタミの2社で2021年12月より開始した。

両社は、このたび発見した傾向を活用してターゲット層と中食需要の仮説を設定することで、より具体的な実証実験を実施する予定だ。これまで効果の可視化が難しかったポスティングチラシによるオフライン販促の効果をオンラインで取得する方法を通して、引き続きOMOマーケティングの成功パターンを検証していく。さらに取り組みの結果を公表することで、OMOマーケティングの発展にも貢献していく。

実証実験では、エリアにより読み込まれるコンテンツ(二次元コード)ボリュームに差が発生することを確認。クリスマスメニューが多く読まれる、グランドメニューが多く読まれる、公式アプリへのアクセスが多い、デリバリーが多い、クリエイティブによる反響が強いなど、エリアにより読み込まれるコンテンツに差が発生した結果となった。特に駅前店舗ではデリバリー需要が高く、かつ関東ではUber Eats(ウーバーイーツ、35.7%)、関西では出前館(19.5%)が多く読み込まれるなど、同じ駅前店舗でも利用意向が異なった。

さらに、読込まれたコンテンツ(二次元コード)からエリア内の居住者のユーザー属性が異なる可能性も発見。クリスマスメニューが多く読み込まれ注文のあったエリアと、グランドメニューが多く読み込まれ弁当1個の注文があったエリアでは、世帯形態など注文者のユーザー属性が異なる傾向があることを確認した。同じ首都圏エリアでも半径数100メートルの差で読み込まれる内容や注文が異なり、エリア内の居住者属性が数百メートル単位で異なる可能性があることを発見した。

両社はこれらの結果をもとに、エリアと居住者層を組み合わせた仮説を設定して、新たな実証実験を行う予定だ。OMOマーケティングにおける効果的な手法を開発し、店舗運営を行う企業の販促宣伝活動に貢献できるよう業界を盛り上げていく。