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日本GLPが大阪・八尾で物流施設着工、すでに満床

2022年5月6日 (金)

拠点・施設日本GLP(東京都港区)は6日、先進的物流施設「GLP八尾II」(大阪府八尾市)の建築工事に着手したと発表した。東大阪・八尾エリアでは希少な賃貸型の先進的物流施設。大阪に本社を置く企業が専用施設として全フロアを賃借し、物流拠点として活用する。2023年4月の工事完了を予定している。

▲GLP八尾II外観イメージ(出所:日本GLP)

入居を決めている企業は、物流機能をGLP八尾IIに集約しオペレーションのさらなる効率化を図る。日本GLPの提案力や柔軟な対応力、物流施設開発・運営における知見やノウハウを評価した。

GLP八尾IIは、荷物用エレベーターと垂直搬送機を複数設置することで縦搬送能力を高めるほか、大型シーリングファンや高断熱素材を採用することで就労環境の快適性向上を図る。エントランスホールやエレベーターホールには、企業が販売する商品などを展示するショーウインドーを設置する予定だ。

交通の利便性でも他物件との差別化を推進する。大阪外環状線(国道170号)に隣接し、近畿自動車道、西名阪自動車道、阪神高速道路、第二阪奈道路を活用することで、大阪市内をはじめ関西圏各地、特に奈良や和歌山といった南近畿エリアへのアクセス性が高い。住宅地や最寄駅も近く、従業員確保の観点でも優位性が高い。

BCP(事業継続計画)対策としては、耐震性能の高いブレース材を採用し地震に対する安全性を確保するほか、浸水や液状化が発生しない地盤への対策を講じることにより、高い事業継続性を確保する。

日本GLPの物流施設開発のモットーである「地域共生」の概念も反映する。今回の開発は、八尾市内の区画整理事業地内で展開。市の協力のもと、隣接道路の安全性を確保するための照明灯を設置する。

■GLP八尾IIの概要
所在地:大阪府八尾市郡川1
敷地面積:7700平方メートル
延床面積:1万6000平方メートル
構造:鉄骨造、地上4階建て

物流施設開発で注目の近畿内陸部、道路網がもたらす恩恵の広さに着目した日本GLP

近畿の内陸部が、「物流適地」として改めて注目を集めている。その最大の要因は、高速道路網の拡充だ。物流施設ネットワークの構築は、あくまで道路網の整備が前提になっている実態を色濃く反映している。

近畿の内陸部は、全国でも有数の高速道路網の恩恵を受けることができるエリアに生まれ変わる。広域の高速道路では、名神高速道路と近畿自動車道、西名阪自動車道、阪和自動車道くらいしかなかった道路網は、この20年で大きく変わった。第二京阪道路は大阪府の北河内エリアや京都府南部における企業立地を大きく変えた。

さらに新名神高速道路の延伸だ。もはや関西圏にとどまらない新たな国土軸を形成する高規格道路は、関西圏に関東圏のバックアップ機能としてのより現実的な機能を見出す要因になった。あらゆる産業を活性化する物流機能は、こうした動きの影響を最も敏感に受ける。

日本GLPがGLP八尾IIを整備する狙いも、こうしたポテンシャルを見定めているからに他ならない。新しい道ができるところに、新たな物流需要が生まれる。日本GLPは、街づくりを含めた広い視野で、こうした需要をすくい取ろうとしている。近畿内陸部における物流施設開発は、新名神高速道路の全通を2027年度に控えて、さらに激しくなりそうだ。(編集部・清水直樹)